4話 異能者 ページ22
『ふぁっ…。朝ってなんでこんなに眠いんだよ…』
寝ぼけ目を覚ませるために学校へ行く道を少し遠回りで歩くことにした
まあ、早めに家を出たからでもあるが
『ふぁっ…』
大きな欠伸をしていると、シュタンと目の前に何か降ってきた
俺が立ち止まっていると、「…あ」と俺に気づいた時音
『お…前は……』
「ごめんなさい…」
『…ったく、理由は?』
「良守が…」
少し困った顔をする時音に『あー…』と言っていると、後ろからトンッと飛び降りる音がした
俺は頭をかいて『行くかー』と促していく
俺の後を追いかける時音とその時音の後を追いかける良守
俺が曲がり角に出ようとすると、ピタリと止まった時音
「ん?どうした?」
「ついてこないでって言ってるのに…いいかげんにして。気持ち悪いのよ、あんた」
(気持ち悪い!?)
(…HPあるのか?
ごーん。とショックを受けている良守に俺は『おーい、いくぞー』と肩を叩きながら声をかけた
ー昼ー
「墨村センセー」
『あ?』
校内でタバコを吸うわけにもいかず、棒付きキャンディーを口に含みながら中等部の廊下を歩いていると、良守のクラスメイトの田端が駆け寄ってきた
『どうした』
「墨村が」
『…良守?』
俺が田端に連れられてクラスに行くと、どぉおんという効果音でもつきそうなほどに落ち込んでいる良守がいた
『田端、市ヶ谷、こいつ寝てるのか?』
「お菓子の城の設計図を書いてるわけでもなく、勉強道具に妙な細工を施しているわけでもなけりゃ寝てるに決まってるよなー」
「いや、顔色悪いし単純に気分悪いんじゃないのか?」
「気持ち悪い!?」
ガタンといきなり立ち上がった良守は、市ヶ谷の胸ぐらを掴み「市ヶ谷〜」とズビーと鼻水を垂らして泣いている良守がいた
「俺って気持ち悪い!?」
「うん…少し…」
『…なんか、悪いな…』
「いえ、先生のせいではないので」
「やっぱりそうなんだーーー!!」
(こいつが俺の弟なのか?)
うわあん、と泣き始めた良守に俺は何も言えずに頭をかいた
「おう墨村、やっと起きたな」
「うるせえ、今日は寝るどころじゃねーよ」
「おい、朝から何度声かけたと思ってんだよ」
『お前は俺の授業中は起きてたのか?』
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年6月18日 11時