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「でもね、青子ちゃんはそれ以上にも自分が強くなっていっていることを嬉しく思ってた
これで人を助けれる、抗える、強くなれる、そして…誰かを自分と同じ境遇から助けることができるって」
「…！」
「青子ちゃんはね、アッシュ…キミと似たような境遇にいたんだよ」
「………」
「青子ちゃんは、5歳でオール・フォー・ワンっていう巨悪に誘拐された…
そして、12歳になる頃にそのオール・フォー・ワンから逃げ出した後、俺たちと出会った後…実の兄に捕まり、軟禁されたんだ
10年にも及ぶ地獄の日々は、青子ちゃんにとって苦痛だったんだ
だけどね、青子ちゃんは決してそれが辛いことだと言わなかったんだ
なんでだと思う？」
そう投げかけられ、俺は首を横に振った
「青子ちゃんね、自分より辛い子がいるんだって言うんだ」
「！」
「自分より辛い目に遭ってる、たったそれだけで自分の過去も罪も全て受け入れる
青子ちゃんはね、そういう子なんだよ。だから、アメリカに来た時アッシュのことを知って本当に全力でキミを助けようと必死だったんだ」
「えっ…」
「青子ちゃんがあの屋敷に来てからアッシュが誰かの相手をすることが極端に減ったでしょ？」
「あ、あぁ…たしかに減った気がする」
毎晩毎晩とまではいかないが、あのタコオヤジやマービンの相手、他の奴らの相手をする回数が極力減った気がした
それが青子のおかげでなんてこと思いもしなかった
「青子ちゃんは、ゴルツィネやマービンとキミとの関わりは切れなくても、お店の方…クラブ・コッドの方とは短期間だけキミとの関係を切らせたんだよ」
「えっ…！」
「ほら、前に青子ちゃんがブラックマネーを掠め取ったの覚えてる？」
「あ、あぁ…結構やってたな」
「アレの4分の1、全部店に注ぎ込んだんだよ」
「は!?」
「不思議でしょ？会ったばかりの男の子のために、掠め取ったブラックマネーの4分の1を注ぎ込んじゃうなんてさ〜
でも、それが一番正しい判断だって俺は思ってるんだ」
たかが、あの魚料理に…いや、子どもを売り買いしているあんな店のためになんで青子が…
俺が動揺していると、男は…尚哉は笑ってこちらを見た
「アッシュは男娼だ」
「っ！」
「その事実が消えることは一生ない」
「………」
「でもね、青子ちゃんはアッシュが男娼とか関係ないんだってさ」
「え？」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年5月29日 0時
