元殺し屋はヒーローになる19 (ページ24)

今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:19,433 hit

134話しがらみページ24

男が腰から出した銃に気づき、アッシュの首根っこを掴んでその場を飛び上がった
超体育着の靴を履いてたおかげで、建物の2階まで飛び上がることができた

「青子!?」

『アッシュ、この子を頼む』

窓から中に入り、女の子をアッシュに任せると男は「全く…お嬢…ッ！」と男は顔色を歪めた
やっぱり、どっかで見たし聞いた声だと思ったよ

『久しぶりだね、元也』

「お嬢、お前はなんで…ッ…若を裏切った!!」

『…裏切った？』

ブチッと青筋を立てる元也に私は、目つきを鋭くさせ冷たく見つめる

『裏切った………あぁ、そう、裏切った、ねぇ？
面白いこと言うじゃん』

窓の淵に足をかけ、私はパーカーのフードをずらして元也に言う

横木元也 “個性”は「物質操作」
あらゆる物質を操作することができる

『何を思って考えたのか知らないけど…先に裏切ったのはそっちでしょ？』

「!?」

『私がヒーローになることを知ってて尚、誰も治崎の…あのバカを止めなかった』

「若になんて無礼を!!!」

『若ァ？あいつが若の器か？
馬鹿馬鹿しい…人をなんだと思ってる？まだあんなに小さく自分の力をわかっていない子どもに、何をした？』

「っ！」

『自分たちが正義？笑わせるね…自分の“個性”は病気じゃないって言うの？
自尊論やめてもらっていい？』

冷ややかな目を向ければ、元也は絶望した顔になる
英語で話している分、アッシュに聞かれてるけど仕方ない

『裏切ったのはそっちだ…だから私は利用した、それの何が悪い？』

「ま…さか、お嬢…」

『私、お前ら死穢八斎會のことだーーーーーーーいっ嫌いなんだよ!!!!』

元也は絶望したように顔を向けてきた
そんな顔を向けられて、私はゾクゾクとした

「若は、お嬢のためを思って」

『私のため？自分の野望を叶えたいがために私を利用したんでしょ？
そのためにエリちゃんを使い、オヤジ様を寝たきりにさせた…幸せ？私が笑顔になれる世界？
綺麗事だ、この世から“個性”を奪ったところで人が変わるわけがない…根強い考えを覆すことなどできないんだよ』

私は、自由になりたかった
空を飛び立てるほどの大きな翼が欲しかった

だから、爆豪かっちゃんや緑谷の“個性”が羨ましかった