元殺し屋はヒーローになる19 (ページ3)

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「青子、その人誰なんだ？」

ゆっくりと離れたアッシュは、後ろを振り返り60代ほどの男を見つめた

『…まぁ、その…私たちのその………』

「はっきり言いやがれクソガキ」

『うっせぇ、クソジジイ!!!』

「フン！」

「青子…」

『…………………はぁ、私たちの武道の先生』

「えっ」

フンっと鼻息を荒くするジジイこと、間宮一雄は私たち夜神月の人間の武道の先生
特に士郎兄さんに武術を叩き込んだのはこの人である

「なんじゃ、嫌みたいじゃない」

『そりゃあんた…中1からずっっっっと武術を反吐が出るまで叩き込まれたら…』

「間宮一雄…」

「ブランカ知ってるのか？」

「知ってるも何も、彼もヒーローだよ。武術ヒーロー」

「は？」

「そうですよね…武術ヒーロー「ウッシュー」」

「なんじゃ、俺のことを知っていたのか」

「えぇ、もちろん。あなたが出ている映画など、拝見させていただきましたよ」

「ほーー…そりゃ、嬉しいのぉ」

『嘘つけ…出たくねぇとか言ってただこねて2、3年かかったって笑い飛ばしながら言ってたくせに…(ﾎﾞｿｯ』

ボソッというと、スコーンっと頭に何かがぶつかってきた
もちろんそれは、辞書という重いもので、しかも角がクリーンヒットしてきた

『い"っ…………てぇええええええ!!!?』

「騒ぐな、馬鹿者!! 全く最近のお前はなっておらん！
その腐りきった根性、俺が叩き直してやる!!」

『見た目ヨボヨボなジジイがはっちゃけてんじゃねぇよ!! つーか、引退するって言ってなんでまだやってんだよ！馬鹿なんじゃねぇ!?』

「なにぉ〜!?」

ジジイはこちらに飛び上がってくると、拳を振りかざしている
咄嗟にアッシュの肩を抱いて後ろに飛び退くと、ボゴッとクレーターができた

『こっ………殺す気か!!』

「元よりそのつもりじゃクソガキ」

『このクソジジイ…ッ(ﾋﾞｷﾋﾞｷ』

嬉しそうに笑うジジイにビキビキと青筋を立てていく

「…と、まぁこのくらいにしておいてだな」

(このジジイ…)

「お前さん、寿命を使っただろ」

「寿命？」

『だったら？』

「腹に鉄骨が突き刺さり、大量出血で死の際だったそうだな」