元殺し屋はヒーローになる19 (ページ11)

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『……………』

「青子、ちゃん？」

「大丈夫か？」

『あ"ーーー…うん』

2人(徹夜何日目だ…!?)

ボーーーーッとノンシュガーコーヒーと栄養剤と、あといろんなの飲んで徹夜続きをなんとかやり過ごした今、すごく眠たい

『もーやだ…殺せんせー殺せとか無理に決まってんじゃん
私1人単体で殺せたら1年間の意味って何ってなるじゃん、馬鹿じゃん、わかってて頼んでんの？アホでしょ意味わかんない、もーーわけわかんない、なに？今更になって手のひら返して責任押し付けんの？
は？やっぱ殺す？燃やすか』

「青子ちゃん、落ち着いて？」

思い立ったがなんだったか忘れたけど、とりあえず焼こうよ、燃やそうよ、爆弾投下しようよ

「おーーい、青子〜」

「生きてるのか、これ？」

「死んでるんじゃないのか？」

「縁起でもないこと言わないで!!!?」

おやすみ3秒のライアンじゃないから、ちょっとはベッドに連れて行こうという優しさはないのかうちの兄貴どもは

『もーーーいい、焦凍に電話する』

「完全に癒し求めに行ったな」

「そこはエリちゃんじゃないんだね」

「さすがだな」

バァンとドアを開けてスマホをタプタプとしたあと、焦凍の番号にかける
数回の呼び出しコールの後、《もしもし》という低い声が聞こえてきてさっきまでのイライラが急に静まった

『じょーどーー…』

《おっ!?》

ダバッと涙が溢れ出ていると《ど、どうした、腹痛いのか？頭痛いのか？風邪引いたか？》というオロオロとした声が聞こえてくる

『もーやだぁぁぁあ…兄さんたちはこき使ってくるし、馬鹿みたいに折り重なって全然寝れないし!!!』

《お、おぉ…》

『1週間ぐらいで終わりそうだったのに、なんか知らないけど2ヶ月ぐらい滞在してさぁ…圧倒的に癒しが足りないよぉ』

《青子、落ち着け》

『もー帰りたい〜』

精神的に参っているので、焦凍に文句を言って5分が経った
なんとか落ち着いてベンチに座ってグスグスする

《青子が泣くのって珍しいな》

『私はロボットじゃないぞ』

焦凍は《そうだな》と柔らかく笑うと、《青子》と名前を呼んできた
私は何かあったのかと少し体を身構えると《1人じゃないぞ》と言われた

『え？』

《青子は1人じゃねぇ…何があっても、俺たちがいるからな》