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五条悟の胸に箱を押し付け、『こんなものいらない』と再度押し付ける









「は、嫌いだったのかよ」

『嫌いじゃない』

「じゃあなんで」

『餌付けされてるようで嫌なの。それに、高価なものだって知ったし…こんなものいらない』









パッと手を離せば、五条悟は慌てて箱を手にした
私が返したことに五条悟は苦い顔をした後「じゃあ、なんだったら喜ぶんだよ」と小さな声で呟いた









「悟、高級店のものは流石にダメなんじゃないかな?」

「市販のチョコならいいっていうのかよ」

「うーん…」

『どっちもいらないって言ってんの
貢ぎ物みたいに、餌付けみたいにされるのが嫌だって言ってるの。欲しいものぐらい自分で手に入れる』









夏油傑と五条悟の会話をぶった斬るように言い、スタスタと歩いていく
椚ヶ丘の駅に向かい、改札を抜けて電車を待つ









「“麗音〜”」

『花子』

「“なんかあったの?”」

『別になんでもない』

「“ふぅん?”」









駅のホームのベンチに座っていると、ドカッと隣に座って来た五条悟はずっと無言でスマホを操作している
何もないなら離れてほしいものだけど…









「お前、何が好きなの?」

『…え?』

「食いもん。好きなやつ」

『………特に、ないけど…』

「ないわけねぇだろ。強いて言うならなんだよ」

『……笑わない?』

「いいから言えって」

『笑わないって約束するなら』

「…わーったよ、笑わねぇよ」









小さな舌打ちと共に吐き出されたその言葉を信じているわけではないけど、一応言質はとったから言わないといけないわけで…









『…………………ト…』

「あ?」

『タ…タルト・タタン……』

「タルト・タタン?」

『…うん』

「……………くっ………ふふっ」

『…………笑わないって言った』

「くっ…ふふっ、はははははっ!悪い悪い!」









少年のように笑う五条悟を無視して、顔を真っ赤に染めながら背けると「悪いって」とニヤリと笑っている五条悟が視界の端に映る









「んじゃ、今度はタルト・タタンのうまい店行こうぜ」

『行かない』

「はあ?」

『けど』

「?」

『…お店は教えて』

「…一緒に行った方が早いだろ」

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Lilly☆(プロフ) - 呪術廻戦も暗殺教室も地爆少年花子くんもマジで全部好きだからこの作品マジで神だと思いますッッ!!(ノンブレス)応援してます!長文失礼しましたッ! (1月21日 0時) (レス) id: 7ba1779775 (このIDを非表示/違反報告)
- 作品はとても好きなんですけど、やっぱり花子君って地縛少年花子くんですよね、、、? (9月28日 22時) (レス) @page6 id: b29d77ae47 (このIDを非表示/違反報告)
ラオ - 凄く面白くて凄く大好きです。 (2022年3月16日 22時) (レス) @page50 id: 55fba24325 (このIDを非表示/違反報告)
- 何故こんなにも面白いのに文句を言うのかがわからない。 (2021年4月15日 18時) (レス) id: 9677d4e8b3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 35ページ 並んでくる とありますが、睨んでくる とかではないのでしょうか? (2021年2月5日 10時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年1月10日 22時

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