元殺し屋はヒーローになる14 (ページ36)

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『さぁすが、センスの塊ども』

「うっせぇ」

滲み出る頬からの血を舐めとり、炎の中を見据える

その時、さらに暗雲が立ち込め、瞬く間に巨大化していく
島の上空の支配では飽き足らないように肥大化していく超巨大雷雲

スケールバカじゃないの？

内包する怪しい紫の雷光が早く解放しろと言わんばかりに生き物のようにうごめく

「この程度で、終わってなるものか！」

『いや終われよ』

直後、私たちの目の前で炎の中にスパークが走ったかと思うと、内側から爆発のような衝撃波が生まれた

その衝撃波から守るように2人の前に壁を作り、必死に耐える

なんとか止んだので壁を壊して空を見上げれば

風をまとい、髪をなびかせ立つ姿は自然を超越した存在に映る

『いや、立ち方!!!』

どこぞのFの復活をも思わせるような立ち方しやがって！
作者に謝りやがれ!!!

なんてことを心の中で突っ込んでいると、ナインは回転し竜巻を発生させた

炎を飲み込んで巻き上がっていく

『バッカじゃねぇの!!?』

その様は躍る炎の柱
間をおかずさらに2本の炎の竜巻が発生し、合流すると一つの巨大な炎の柱となる

「……竜巻」

「チッ、やっぱ気象変動か……！」

『あっついわクソがッ』

熱風に耐える中、炎を見据えた後自分たちの後ろにいる活真と真幌、そして島民達のことを考える

このままでは危険だ
どうすればいい

いたるところに雷が落ち、そこから火災が発生し新たな炎柱となる

穏やかで美しかった島がただされるがままに蹂躙されている

「この島もろとも、ぶっ壊す気か……!!」

「絶対に止めるんだ!!」

『いくらでも再生させてやる…!!』

その決意を胸に緑谷はワン・フォー・オールを全開にする
体に支障なく使用できる範囲は20%にまで引き上げた

だがそれではナインにはかなわない

大怪我は覚悟の上

下手をすれば命に関わるぞ

「ワン・フォー・オール100%」

「あんなもん、最大火力でブッ飛ばす！」

『……………………最大出力、出してやる』