元殺し屋はヒーローになる14 (ページ4)

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(ヤツを活真くんたちに近づけさせるな。このまま牽制を続けて……)

(一気に叩く……)

その時、私と緑谷の足元を意思を持ったような突風がすくいあげてきた

「うわあっっ！」

『ふっざけろー！』

バランスを崩した瞬間を狙ったようにナインの爪弾が連射される
空中で身をひねる緑谷の盾になるように手近にあったり枝を分解して修復し、盾にする

「青子さん！」

『うぐっ！』

頬と脇腹を掠めた爪弾に血が滲み出る

「くっ！」

『…っの野郎』

地面に着地し、ナインに身構える
今の突風も“個性”…だとしたらあと何個持ってる？
相手が未知数なら出方を窺うよりも先手を打つ方が得策だ

『緑谷、20出せ』

「うん！」

ワン・フォー・オール、20%を出す緑谷の動きやすいようにフィールドを分解して修復する
さあ、ここからが正念場だ

(……パワーがあがった……！)

『うまくやれよ…緑谷ァ！』

「セントルイス……スマーッシュ!!」

速攻でナインに向かい、足場を使って加速した緑谷は、今の最大のパワーでの渾身の蹴りを繰り出す
衝撃波に木々がしなり、葉が舞い上がる

『空気の壁…！』

(20%が……通じない!?)

「この力……この“個性”……そしてあの“個性”……奪う価値がある」

ナインは空気の壁を消し、急に足場を失いバランスを崩した緑谷の頭をつかんだ

『緑谷！』

「きちゃダ…ッ」

小型ナイフを取り出し、殺意を剥き出すようにしてナインに突っ込むと、爪弾が連射され避けきれずに肩と腹を貫いてきた

ドクドクと流れる血をよそに“個性”で治そうとした途端、ナインに首を掴まれ持ち上げられた

ナインの目が怪しく光ると、私と緑谷は頭の中に何かが侵入してくるような異常な感覚に思わず絶叫する

2人「うわああああああああああっっ！」

異常な感覚に叫びながらも、必死に考えを巡らし、頭を働かせる

奪う、と言った

オール・フォー・ワンと同じ“個性”

やばい、緑谷のワン・フォー・オールが奪われる！