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止めなければと駆け寄っていく緑谷と爆豪の少し前で、ナインの顔を覆っていたマスクが落ちた
顔のひび割れのような傷が小さくなっていく
紫がかった白髪が乱れ、憂いを帯びた目は狂気に見開かれる
「温存など……必要ない！」
上空にいつの間にか大きな暗雲が広がっていた
突然昼から夜に変わったような異常な変化に緑谷たちも立ち止まり空を見上げた
激情のまま天を仰ぎ咆哮するナイン
黒雲の中で紫色の光が暴れまわったかと思った直後、それが怒り狂ったように私たち目掛けて落ちた
「……デク兄ちゃん、青子姉ちゃん……」
「バクゴー……」
体が、痺れて…動けない……！
「デク兄ちゃああ、青子姉ちゃああ」
「バクゴー！」
活真と真幌の声が遠くから聞こえてくる
その方向に目だけを移動させれば、障子が止めていた
早く、早く逃げろ
NOside
「細胞の活性化？」
夜、ホークスは意識を取り戻した真幌たちの父親の元へ事情を聞きに訪れていた
戸惑いながら父親は小さく頷き応える
「えぇ、ですが私が活性化できるのはＡ型細胞だけで…
とても人の役に立つような“個性”では……」
ホークスには、この島乃という一般人が巻き込まれたのは“個性”のせいなのは間違いないと確信があった
あらゆる可能性を考えながら口を開く
「島乃さん、ご家族は？」
「故郷の那歩島に、娘と息子が……」
通常“個性”因子は遺伝する
狙われた“個性”と同じ系統の“個性”を持つ家族が持っている可能性は高い
つまり、犯人が奪いに現れるかもしれない
(かなり遠いが、犯人の進行範囲に那歩島はある……)
地図上の“個性”喪失事件のポイントを思い返し、ホークスが僅かに眉を寄せたその時、ポケットの携帯がなった
「失礼…」と、病室を出て公安委員幹部からの電話に出る
「なんです？」
《よぉ、鳥野郎》
「!? お前は………！」
《単刀直入に言う。九州沖を渡航中の漁船が救難メッセージを受信した
那步島に敵襲来、至急救助を》
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2020年11月29日 0時
