元殺し屋はヒーローになる14 (ページ26)

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ジュッッッと肉が焼ける音と、声にならない叫びと痛みが青子から聞こえてくる
そんな彼女を見て、男はピクリと眉を動かし、自然をざわつかせるほどのオーラを醸し出した

その時、ナインの背後から爆炎を抜けて麗日がバッと飛び出す

触れて浮かそうと、麗日が手を伸ばしたが突如ナインの背中から出現した使い魔が麗日を噛み急上昇し空中で勢いよく放り投げる

「麗日さん！」

『っの、クソが!!!!』

城跡から落下しそうになったすんでのところで、青子が飛び上がり受け止める
その腕の中で麗日は「まだ………まだ……」と悔しそうに呟きながら気を失った

青子はそんな麗日を見た後、抱きしめる力を強くし近くにいた瀬呂に麗日を任せこの場を逃げるように指示を出す

「野郎……」

「よくも！」

『絶対殺す』

傷つけられた仲間たちの姿に、爆豪、緑谷、青子はナインを睨みつけた

青子にいたっては、傷をつけてはいけない女の子である麗日、八百万、その他の仲間たちに手荒な真似をしたナインへ、瞳孔が開いた目と辺りを覆い尽くすほどのどんよりと重苦しい殺意をぶつけていた

すぐさま3人は使い魔を消そうと攻撃に移る

緑谷がデラウェアスマッシュを連射し、爆豪が爆破で畳み掛け、青子が「オーバーホール」で分解しようとするが、使い魔は三体に分身し、それぞれへと攻撃してきた

吹き飛ばされた3人は城壁へと叩きつけられる
その時、青子の治っていない傷が悲鳴をあげる

(押し…こまれる…ッ
このままじゃ、あの子達に………ッ)

めり込んだ城壁からなんとか立ち上がりながら青子はナインに身構える
その少し後ろで爆豪と緑谷も使い魔を従えているナインを荒い息で睨んだ

「……クソがっ……！」

「ぐぅっ…！」

ナインの強さは異次元だった
数々の経験を積んだ青子ですら歯が立たないのである

“個性”のひとつひとつが強力で、青子たちの攻撃など全く意に介していない
それを肌で感じ、焦りを隠せない3人の前で、ナインがスッと3人に向けて両手を上げ、使い魔を差し向ける

矢のように飛んできた使い魔が3人に食らいつこうとする

『殺る…ッ！』

使い魔を分解するために両手を前に出した青子
その様子を頂上で身を乗り出すように見ていた活真と真幌がハッとしたその時、突如使い魔が崩れた