元殺し屋はヒーローになる14 (ページ12)

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磯貝side

「まずは現状の報告……」

休憩室でE組とA組が集まって、敵の襲撃から戦闘、避難誘導、炊き出しと休みなく動き続けていた俺たちは流石に疲労困憊していた

「通信は、電力網が破壊されていて救援を呼ぶことはできない
律が烏間さんになんとかしてくれているが、通信が良くない。つまり、難しいだろうな」

「さっき、イトナの作った救難メッセージを発信するドローンを本島へ発信させたけど、到着は早くて6時間…律の計算上でも、救助が来るにはさらに時間がかかるらしい」

吉田と村松の会話を聞きながら、“個性”を使いすぎた八百万を介抱しながら俺は口を開いた

「それまで、敵が待ってくれるとは思えない」

「今、我々がやるべき最優先事項は、島の人々を守り抜くこと…」

自分に言い聞かせるように言った飯田に、「どうやって？」と前原が聞いた

その時、ドアの方から活真と真幌が現れたことに気づき、口元に指を当ててもう少し待つように頼む

「爆豪と緑谷…クラス最強の青子をあそこまで痛めつけた敵だぞ」

頭を抱えた轟の言葉に俺たちは眉を寄せ、押し黙った
俺たちE組の中でもトップクラスに入るほどの実力を持つ青子があそこまでされた

それほどまでに相手は強敵だと言うことだ

「俺らが戦ったヤツもかなりの手練れだった」

「戦うにしても、ヤオモモや上鳴は“個性”かなり使っちゃってるし…」

上鳴も八百万もかなりの疲弊で闘うことはおそらく無理だろう

《わかっているだけでも、敵は3人います》

「一斉に襲われたらひとたまりもねぇぞ」

「せめて、敵の目的がわかれば…」

「ああ、対策も立てられるのに…」

寺坂、三村、岡島が悔しそうに顔を顰めると、「敵が狙っているのは僕だよ」という驚くべき声がかけられ、そちらを見ると部屋に入ってきた活真がいた

「え、マジかよ…」

「僕の“個性”を奪うって、言ってた」

「“個性”の、強奪………？」

「まるでオール・フォー・ワン…」

速水の言葉に俺たちは緊張感が走る
あの神野で…しかも、青子をさらったという犯人と、同じ“個性”を持つ敵