桜蘭学園ホスト部の恋3 (ページ7)

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「全員、オールを持てる!! なんとしてもアメフト部より先にアカデミア橋に着けろ!!
苦しんでいる香南姫のためにも、絶対ホスト部が勝ーーーつ!!!」

アカデミア橋に来たわいいけど、工事中だ

「オヤマア～～～～まだ工事中だねえ～
ホントは公開日明後日だしねえ」

「ハニー先輩んとこの企画でしょう!! 把握しといてくださいよ!!!」

「だって僕らこの区域の担当じゃないもん～」

振り出しに戻るなんて…

『…ん？』

そっか、「のぼって沈む」の“沈む”はふつーに水に潜るとかでも…

あれ、でも「のぼって」「沈む」って何か矛盾してる

『もしかして…』

振り返りみんなに声をかけようとした時、「静かに」と鏡夜先輩が口元を押さえてきた

「お前も気づいたか？
だがここで騒いでわざわざアメフト部に教えてやることもない
お前、1人で抜け出して先にそこ(・・)に向かえ」

『え、でも』

「理央、大貧民は大富豪の…？」

『私、貧民じゃなーーーい!!!』

動きにくい衣装を脱ぎ捨て、すぐにそこへ向かう

「W」は西を、「天竺」も西で合ってる

だけど「KCN」から導き出さなきゃいけないのは、西じゃなく、シアン化カリウムの「弱アルカリ性」

つまり、校内の「西」にあって、弱アルカリ性で「のぼって」から「沈む」ことができる唯一の場所

『西校舎屋上の温水プール!!』

バタン、とドアを開けて中に入れば椅子の真ん中に王冠が置いてあった

なるほど、「聖母と天使の中央」か

『あった!!』

「部長!! ありました!!」

よし、回り込んでいけば

「どけチビ!!」

『わっ!!?』

どんっと突き飛ばされ、そのままプールの中に落ちた

「理央!!」

「環!! こっちは俺たちが引き受ける!! お前は王冠を手に入れろ!!」

「理央!!!」

ザブンと誰かがプールの中に入ってきた

口の中から空気を逃すまいと押さえていると、グンッと引っ張られた

ｻﾞﾊﾟｯ

「理央！理央!!」

『ゲホゲホ！』