桜蘭学園ホスト部の恋3 (ページ6)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:8,395 hit

22-2 ページ6

「たーすけてえーーー」

｢｢ただでさえ重い衣装が水を吸って余計重く!!｣｣

(馬鹿じゃないの…)

なんとか環先輩を引き上げると、ぜぇぜぇと息を吐いている

「あ、あやうく体育館で水没事故を起こすところだった
ベニスの観光協会にこの衣装は水辺に不向きと教えてやらねば…」

｢｢そんなマヌケな事故起こすのアンタだけだよ｣｣

「そんなことより、一体今どこに向かってるんですか？

『ねえ。この広い中、闇雲に王冠を探すわけにもいかないし、問題は最後のキーワードの「聖母と天使の中央」ってことだけど………』

「ん？」

(なんか、引っかかる)

頭の中で、何かが引っかかる

「いいか？ハルヒ、理央
小規模とはいえ、この体育館にはどうやらいくつかのベニス主要スポットが再現されている

例えばダリア宮、サン・マルコ、ドゥカーレ、それにサンタジェロ、サンタ・マリア・デラ・サルーテ」

あ！

聖母(マリア)と天使(エンジェル)!!

「どーやら、アメフト部も同じとこ向かってるみたいネー」

「うむ!! 急ぐぞ!! おそらく王冠は体育館内で二つの間にあるスポット、アカデミア橋に隠されている…!!」

アカデミア橋に向かう途中、鏡夜先輩が脅迫状の犯人を推理したことを聞いてきた

「新聞の切り抜きの方なら多分…生徒会書記の満山香南さんです」

「それで柑橘系の」

「いや、ほんなダジャレじゃなくて」

『九瀬先輩は「生徒会にコネがある」と言ってました
おそらく、満山さんに協力を頼み、生徒会の争奪戦辞退とアメフト部に有利な舞台作りを画策したと思いますけど』

「昨日、見かけた2人の雰囲気はどうも合意の上の協力者という感じではありませんでした
思うに満山さんは九瀬先輩に逆らえない立場にあるんじゃないでしょうか
命令通り動きながらも、本当は九瀬先輩を恨んでいて、密かに九瀬先輩の最大の目的である「ホスト部との対決」を邪魔しようとしたんじゃないかと」

満山さんの家は国内2番手の青果輸入会社で、「九瀬」のライバル社

「近年は業績が落ち込んでいて、九瀬に合併の話を再三持ちかけているという噂が」

「だとしたら、満山姫は会社の救済をエサに脅されてるかもってこと？」

「うぬぅ…紳士として許すまじき行為!!
しかしこれは放っておけんぞ…」