元殺し屋はヒーローになる28 (ページ35)

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「どーでもいーことなんだけどさ！入学試験の時、助けてくれたの覚えてる!? あの時、ウチすごくかっこいいと思ってた!! だってあんなに…颯爽と駆けつけて勝つんだもん!! すっごくかっこよくて憧れだった!!」

『覚えてねえよ』

いつのことだよ…

グラヴァ「騒音」は、対象者に対していろんな騒音を向けることができる
たとえば、工事の音を鼓膜が破れるぐらいの音を出すことができる。音を出すことのできる本人にはなんら害がない

ﾊﾟｼｯ

『っ！今度はなんだ…!!」

「夜神月！体育祭や合宿のこと覚えてるか!? お前が俺たちのためにいろいろと考えてくれたこと、俺は忘れない！
緑谷やお前だけが(・・・)ボロボロになって戦うなんて見過ごせない！」

『何度も言わせるな。覚えてねえことガタガタ言うんじゃねぇよ』

体を巻き付けてくる尾白に睨みながら言う
なんなんだよ、お前ら…なんで

『オール・フォー・ワンに奪われる…！お前らは知らないから言えるんだ、一緒に戦う、背負う…お前らみたいなアマちゃんが、同じステージに立てるわけないだろ』

お前らは何にも知らない

敵がどれほど凶悪で巨大で、どれだけすごいのか…

何も知らないから簡単に言えるんだ

だから離れた

守るために

これ以上、全面戦争の時のように傷ついてほしくないから

だから、離れた

『オール・フォー・ワンの力を知らないお前らが立てるステージなんてない』

「っ！」

『お前らは何も知らないから言えるんだよ…』

(関節を外して…!? 抜け出すつもりか!?)

ブランと落ちた腕のおかげで隙間ができた
そこから抜け出し、腕の関節を戻して尾白を殴ろうとすると、バッと横に押された

『次から、次へとっ……!!』

「押せ、ダークシャドウ!!」

ｶﾞｼｬｰｰｰｰｰｰﾝ！

「あいつ、ホントに強くなりすぎ！」

「意志もなにもかもね」

「夜神月！聞いてくれ！お前のそれが特別な力だとしても、気持ちは俺らも同じだ！
さっき口田の言った学校の方の話もさ!! 聞いてくれ！でなきゃ、もうエリちゃんにリンゴアメ作る時食紅貸してやんねー！」

砂藤の声に、背中を強打し押さえつけてくるダークシャドウに爪を立てた