元殺し屋はヒーローになる28 (ページ30)

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「行かせてたまるか!! デクくん!!」

後ろから麗日さんが来てる

早く、早く

“爆豪くんきっと…みんなに救けられんの、屈辱なんと違うかな…”

「あん時とはちゃう…私、わっ！」

その場から一気に上空に飛び立つ
きっともう近くまで来ているはずだ。青子さんの、ところへ

「みんなぁ!!!」

「溶解度0.1%、保護皮膜用アシッドマン！」

「行け、轟!!」

(膨冷熱波！)

「！」

大きな爆発音のような音が聞こえて振り返ってみれば、こっちに飛んでくるみんながいる
やばい…これ

(言いたいことなら山ほどあって、でもキミ達に言葉は届かないから)

「ついてこれねぇだと…!?」

(デクくん、私たちは守られたいわけでも)

「爆速ターボ…」

(キミを否定したいわけでもなくて)

「“クラスター”!!!」

(ただキミの隣に)

(デク…！まだ言いてーこと…いや！言わなきゃいけねーことがある！でもここは、スピードに耐え得る体を持ったテメーの後だ、委員長!!!)

(キミ達はいつだって俺の先を行く…!! だから)

“今の緑谷出久を補完できるものがあるとすれば”

「だから俺はいつだって、キミに挑戦するんだ！」

“同じ意志で、同じ歩調で、隣を走り続けようとする者たちだ”

僕の手を、強く掴む飯田くんを見て、振り解かないといけないのはわかってるのに、手が

「そんな……ダメだ…離して…！」

「離さない！どこへでも駆けつけて、迷子の手を引くのがインゲニウムだ
余計なお世話ってのは、ヒーローの本質なんだろ」

振り解かなきゃいけないのに、力が入らない

「解除！」

フワッとしていた感覚がブレてそのまま浮遊で飛ぶことができずに落ちていく

「うまく、着地できるか…」

「オーライ、オーライ」

「切島く」

落ちていく僕と飯田くんを受け止めたのは、切島くんだった

「倒、れねぇぇ!!! 緑谷!!! 俺、昔な！とある話に打ちのめされた！同い年の奴が立ち助けるために駆け出したって！あれ、お前なんだろ…!?
特別だとか力だとか、関係ねぇ。あん時のお前が、今の俺たちの答えだと思うぜ…！」