元殺し屋はヒーローになる28 (ページ13)

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(先程は“ワン・フォー・オール45%”、“危機感知”、“煙幕”、“黒鞭”、“発勁”、そして“浮遊”を矢継ぎ早にスイッチし使用…結果、処理が追いつかず動きが止まってしまった
先刻のことでそれを知り、今“ワン・フォー・オール”と“黒鞭”、“発勁”に絞った。そして)

(仕切り直す…!!)

(まだ片足分の“発勁”を残している)

そういえば…もう1人の、ガキは

『闇夜に紛れることぐらい』

「!!」

『造作もないんだ!!!』

青子side

緑谷がお兄ちゃんのいるビルに方向転換をしたあと、雨の降り頻る中を一人で空へと飛んでいた
全体を見るために、レディ・ナガンの動きを知るために

緑谷がお兄ちゃんを守った後、レディ・ナガンが仕切り直すために距離を取ったのを見て、音もなくレディ・ナガンへと向かっていく

(このガキ…!!)

(撃たせない…これ以上、レディに!!)

ボッと空中で一気に加速してレディ・ナガンの銃身を砕いた

『銃身を砕いた!! 終わりです、レディ・ナガン!!』

勢いがつきすぎてそのままビルの壁にぶつかりそうになったのをなんとか回避して戻っていく

(迷いなく…敵だと認識した上で…まるでそうすることが当然かのように…いつからだっけ
綺麗事に、吐き気を催すようになったのは)

ﾊﾟｼｯ

レディ・ナガンの手を緑谷と共に掴む

「治崎に撃った弾、軌道がズレてた」

『あなたが本当にオール・フォー・ワン(悪)に与したのなら、そもそも初撃で私の腰を撃ち抜いて終わりだった…!!』

「闇を知ってるあなたなら、これから照らすべき方向もわかるはずだ」

『私たちと一緒に戦ってください。あなたの心はまだ』

2人「ヒーローのままです」

(どんだけだよ)

落ちていきそうになるレディ・ナガンを支えながら私と緑谷が大きな声で響くように叫べば、レディ・ナガンは困ったような笑顔をした

その笑顔がとても綺麗で

「緑谷出久、夜神月青子、お前たちは本も」

その時、レディ・ナガンの顔にヒビが入った

「心ってのは、流動的だ。だからちゃあんと、契約不履行の場合にも備えておいたよ」

ﾎﾞｯ

2人「ナガン!!」