元殺し屋はヒーローになる13 (ページ24)

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「さっきは、ばあちゃんを病院まで運んでくれてありがとうね」

「あ………」

飯田が運んだお婆さんの娘さんがお礼を言い

「バイクの修理助かったわ！」

「バッテリーも！」

バッテリーの充電をした上鳴と、そのバッテリーを新しく交換したイトナ

そしてそのバイクの修理をした吉田に

「ビーチの安全ありがとう！」

『うっす！』

ビーチでナンパに困っていた人たちもお礼に来てくれた

「とれたての魚だぞ！」

最後にどーんと鮮魚を差し出したのは、切島が漁港で軽トラの荷物を運ぶのを手伝った漁師たち

「お礼というわけじゃないけど、よかったら食べとくれ」

目の前に差し出されたご馳走の数々にみんなは目を輝かせ「いっただっきまーす！」と声を上げた

「すみません、わざわざ」

手厚い差し入れに相変わらずの礼儀の良い磯貝は申し訳なさそうに謝ると、「いやいや」と島民の方たちに言われた

「あんたらが来てくれて、本当に助かったよ」

「これからもよろしくお願いね」

微笑まれて、信頼が生まれていることに嬉しさが込み上がった3人は「はい！」と声を上げた

「ご馳走様でした」

「腹一杯…」

素朴で美味しく、まさに島の恵み

ありがたみが溢れてきて、もう嬉しい

「あ～、美味しかったぁ」

「人の優しさが身に染みるな」

「ヒーローやっててよかったと思える瞬間よね」

「うん」

「あ、オイコラ前原、それ夜神月のアイス」

「え、マジ？」

『てめぇ、前原ァ!!』

ドッタンバッタンと騒ぎまくる私たちに「おーい、その辺にしとけよー」という落ち着きのある磯貝の声が響いた

「バクゴーのかっちゃんくん。俺等風呂入って寝るから」

「宿直よろしく！」

「あぁ？………なんでだよ！」

「だってお前、今日なにもしてねーじゃん」

「ぐぬぬ………くそがぁ！」

まあ、なにもしてない奴がやるのは当たり前と相場は決まってる

「よし、今日は僕たちが片付ける当番だね」

「緑谷、轟、やろー」

「うん」