元殺し屋はヒーローになる13 (ページ12)

今日:8 hit、昨日:8 hit、合計:82,597 hit

94-2 ページ12

？side

次の追手の対策を考えているスピナー達の前に、僕たちは装甲車の上に飛び乗った

「な、なんだ!?」

「ヴィランだ!!」

「お邪魔しまーす！」

「夜遅くにお邪魔する」

「お前ら…!!」

「俺等、『ヴィランズランド』の者でーす」

「荷物、受け渡してもらいます」

「そうはさせるかッ」

スピナーがハンドルを切り、窓から顔を覗いていた僕たちを振り落とそうとフラフラと蛇行運転に切り替えてきた

「俺等の“個性”と相性の前に、まずは体幹鍛えとけって……うわっ!?」

「アカロ!!」

振り落とされそうになったアカロは、「あぶっね～」と、なんとかボンネットの上に飛び乗った

「危ねーじゃん！俺、結構こーいうの苦手なんだよね」

「荼毘!!」

「え、マジ？」

僕とアカロの方に青い炎を向けてきたつぎはぎだらけの男、ロゼリアから聞いた「荼毘」という男は「しつこいな」と笑っていた

「ちょちょっ!? 俺等、荷物の受け渡しをしに来ただけで…ッ!?」

「うるせえよ」

「あっちちちち!!!」

「アカロ!!」

青い炎に腕をやられて、「ふーふー！」と息を吐いて炎を消すアカロは、「あーーーもう！」と、ステッキを出した

「俺、もー怒ったかんな!! ヴァモ!!」

「あぁ！」

同じようにステッキを取り出して、荼毘に向けた

「うちの女王様がお怒りなんだ」

「さっさと荷物、渡せ」

「！」

「「トランプで遊ぼう(レッツ・プレイ・ウィズ・プレイング・カード)」」

何百枚ものトランプカードを荼毘に向けると、「痛っ！」と、中に引っ込んだ

当たり前だ

僕とアカロの「レッツ・プレイ・ウィズ・プレイング・カード」は、トランプカードであり、刃物のように切る鋭い刃がある

「んじゃ、さっさと回収しますか！」

「そうだな」

ボンネットから後ろの方へ向かい、後ろの方から侵入しようとすると、装甲車上部のハッチが開いた

「おいおい、またかよ」

「よいしょ」

出てきたのは白い画面に黒いシルクハットをかぶった男、Mr.コンプレスだ

「しつこいよっと」

「それが俺たちの取り柄でねっ」