82話 文化祭を、殺る気で!! ページ2
ー病院ー
「エリちゃん」
「！」
『会いに来れなくて、ゴメンね』
「フルーツの盛り合わせ！よかったら食べて！
好きなフルーツある!? 俺当てていい!? 桃でしょ!?
ピーチっぽいもんね！」
「リンゴ」
「だと思ったよね!!」
フルーツの盛り合わせのカゴを受け取ったエリちゃんは、真っ赤なリンゴを取り出すと、「お姉ちゃん…」と私に渡してきた
「？」
『今日はどんな形がいい？』
「ウサギさん」
小さな果物ナイフを取り出して、シュルシュルとリンゴを丁寧に切ってウサギのように切っていく
皿に盛り付け、爪楊枝を刺してサイドテーブルに置いて、リンゴを一つだけ食べ終えたエリちゃんは、「ずっとね」と眉を下げながら私たちを見た
「熱出てた時もね、考えていたの。救けてくれたときのこと…でも、お名前がわからなかったの
ルミリオンさんとお姉ちゃんしかわからなくて、知りたかったの
お姉ちゃんが、「みどりや」って言ってたけど、わからなかったの」
「緑谷出久だよ、ヒーロー名はデク！」
「ひーろーめい？」
『あだ名みたいなモノだよ。デクの方が言いやすいと思うけど？』
「デクさん、ルミリオンさん、お姉ちゃん」
ベッドの横に座っていると、ゆっくりと目を合わせて名前を呼ぶエリちゃん
「あと…メガネをしていたあの人…。みんな…私のせいでひどい怪我を…」
“ナイトアイのことは伝えてない
聞く限りじゃ、なんでも自分のせいにして抱え込んでしまうようだ”
「私のせいで、苦しい思いさせてごめんなさい」
“いずれ知ることになるだろうが、今は酷だ”
「私の、私のせいでルミリオンさんは力を失くして…お姉ちゃんは…」
『エリちゃん』
「！」
『苦しい思いをしたなんて思ってる人はいない。少なくとも、私はそんなこと思ってないよ
みんな、こう思ってる。「エリちゃんが無事でよかった」って』
「お姉ちゃん…」
『存在しない人に謝っても仕方ないよ。気を楽にしていいんだから
みんな、エリちゃんの笑顔が見たくて戦ったんだよ』
「…お姉ちゃん、も？」
『うん。お姉ちゃんも、エリちゃんが笑ってほしくて今まで頑張ったんだよ』
だから笑って？
エリちゃんの瞳に浮かぶ涙のしずくを指で優しく拭いとれば、エリちゃんはググググと頬を引っ張った
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サッカーバカ(プロフ) - うさぎさん» ありがとうございます！ゆっくりですが、よろしくお願いします (2020年6月20日 21時) (
レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - 続編おめでとうございます。今後も楽しみです。 (2020年6月20日 20時) (レス) id: 1ab5dd9ceb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2020年6月20日 11時
