元殺し屋はヒーローになる11 (ページ34)

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私は死ぬほど泣いてメソメソして下向いて何もしないで逃げる人間が心底嫌いだ

無力だからって何？

理不尽なことが世の中にあるのは当たり前なのに、人はそれをひどいなどと罵倒して蔑み、自分がかわいそうな人間だと思うではないか

そういうのが鬱陶しい

E組に落ちてから私は自分がかわいそうだなんて思ったことない

だって自分のヘマで最下層に落ちたんだ

それを悔やんだりしてる暇があるなら、早くそこから這い上がるために努力すればいい

泣いて何もしないなんて、弱い奴のやることだ

困ってる人がいるっていうのは、這い上がるために力を出し尽くしてしまった人のことだ

私はそういう人こそ、救わねばならないと思ってる

「舐めプ女の言う通りだ。子守なんぞとっとと終わらせて向こうの講習に参加だ」

『…………。まず、話をまとめるよ』

ハンカチをびしょ濡れにして泣いている先生を見るのもクソなので、私は背を向けた

「てめェ、なんか荒れてんぞ」

『荒れたくなるわ。いきなり、くそ子供(ガキ)の相手だぞ』

(こいつのガキ嫌いはどっからきやがった)

『まず、あの人が“先導者”としての役割を果たせず、舐められた結果がこれ
子供(ガキ)が主導権を持っていったってこと

“なんとなく”、“いつの間にか”こうはならない
クラスの空気を形成してる“ボス”が必ずいる。そいつを見つけ出す』

「そしてバキバキにへし折り、見せしめに吊るして全員に石を投げさせる
てめーがいかに矮小な存在かをすり込むのが1番効くのさ」

「仲良くなればいいんスよね!?」

夜嵐、お前が1番まともでよかったとこれほど思ったことはない

「1番強ェ奴、出てこいや。俺と戦え」

《ダメそうだ!!》

(いや、ダメも何も根本から違うし)

爆豪かっちゃんを引き戻そうと足を踏み込んだ時、「そういう前時代的暴力的発想…」と、壁にもたれている気取り屋が口を開いた

「お里が知れますよね」

《お里を知られたァ!!》

『言っとくけど、余興もクソもないからね。コレ』

「ヤンキーは流行ってないよ」

「流行れや!!」

『よくそれで流行ると思ったな!!』

夜嵐が進んで子供達と戯れに向かったが、子供に自分の立場を諭されたではないか

しかもその子供(ガキ)は笑っている