元殺し屋はヒーローになる11 (ページ26)

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『…………ありがとう…！』

あふれていた何かが弾け飛んだように、彼女は泣き出した

麗日さんと蛙吸さんが抱きしめて、切島くんと僕はそばに寄り添い、彼女が落ち着くまでずっと隣にいた

『みんなによろしくね』

「うん」

「青子ちゃん、ゆっくり治してね」

「無理すんなよ」

「…青子さん」

『？』

「僕、頑張るから」

『！』

「…待ってるね」

『…うん』

見送ってくれた彼女に手を振って、僕たちはアライアンスへ戻った

学校に戻ってからも色々と調査や手続きが立て続けで、結局僕らが寮へ帰って来れたのは夜だった

「帰ってきたァアアア!!!! 奴らが帰ってきたァ!!!」

峰田くんの声と同時に、みんなが駆け寄ってきて心配の声をかけてくれた

「お前ら毎度すげェことになって帰ってくる。怖いよ、いい加減！」

「みんな、心配だったのはわかるが!! 落ち着こう!!
報道で見たろう。あれだけのことがあったんだ
級友であるなら彼らの心を労り、静かに休ませてあげるべきだ

身体だけでなく…心もすり減ってしまったろうから」

飯田くん…ありがとう

でも

“だから笑っていろ”

“クヨクヨしない。笑っていようぜ！”

「大丈夫」

「じゃあ、いいかい。とっっっっっっっっっっっても、心配だったんだぞもう
俺はもうキミたちがもう」

「おめーがいっちゃん激しい」

「緑谷さん、青子さんは…」

「青子さんは今病院で治療を受けてるよ。もう意識もあるし、大丈夫。でも…」

「…心の方が…今はあかんみたい」

「お茶子ちゃん…」

「私、青子ちゃんが悩んでるん気づかんかった」

「………………青子は、そういうのを他人には悟らせないからな」

「轟くん…」

彼女のいとこだから…わかるのか

…あれ、でも治崎の妹で轟くんのいとこ？

なんかおかしい…

青子さん…キミはまだ…………何を隠しているんだ

「これはこれは…」

『………っ』

「お久しぶりですね、キャット」