元殺し屋はヒーローになる11 (ページ14)

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エリちゃんは自由もなくただ身を切られる日々で

“お姉ちゃん…！痛い！痛い、なんで…なんでなの!?”

“エリちゃん…”

“私、私…………！”

“ごめん…ごめんね…私がもっと、強ければ………!!”

使い方すら知らない恐ろしい“力”

そんなものを持って生まれてしまった自分が悪いのだ

「呪われている」

そういう宿命なのだと受け入れてしまったエリちゃんを

私は救けることはできなかった

でも

センパイの…ルミリオンの行動がエリちゃんのその心を揺らした

兄に強いられていた今までの日々を、誰にも悟らせないように

生きてきた

「呪われている」と、何度と刷り込まれた

エリちゃんと同じで、ルミリオンの行動で心が揺れた

私がしなきゃいけないと思ってた

でも、私やエリちゃんを救わんと傷ついていく姿が辛くて、見ていられなくて

2人(もういいのに…!! 死んで欲しくないのに…！)

この人たちは死んでも諦めない、そう思った

一度掴み損ねたその光が、再び光り輝き出した

新たに芽生えた想いを手に取って

「救からなくては」という思いが

ﾄﾞﾝｯ

エリちゃんを覚醒させる

(お姉ちゃん…！)

センパイから紡がれ、エリちゃんに今“救われる覚悟”が芽生えた

「もう…離さないよ」

一度離してしまったあの手を、今度こそ掴んでくれた君に

「青子さん!!!」

「お姉ちゃん!!!」

(私はいい)

エリちゃんだけでも

「来て!!!!」

『！』

手を伸ばされて、その手をとってもいいのか迷ったけど

緑谷なら

救けてくれるんじゃないかって…そう、思ったから

ｶﾞｼｯ

「!?」

「お姉ちゃん!!!」

「返せ!!」

『逃げて!!!』

パーカーのフードを掴まれて、「救かる」ことができなくなった今、エリちゃんだけでも

(離しちゃダメ、もう絶対に離してあげないで！
あんなこと、もう絶対させないで!! エリちゃんに………あんな辛いこと、二度と)

「ああああああ!!!」

ﾄﾞｯ