元殺し屋はヒーローになる11 (ページ11)

今日:1 hit、昨日:34 hit、合計:156,569 hit

77-2 ページ11

青子side

嫌な予感がした

頭の奥からジワジワと気持ち悪い気分になる

「ゼェッゼェ」

壁をつたいながら歩いていくセンパイを支えながら、エリちゃんを少しでも安全な場所へと向かう

目からポロポロと涙を流すセンパイを支えて、ゆっくりと歩くと彼は足を止めて崩れた

『センパイ………』

「～～～～っ…！
エリちゃん、青子ちゃん…身を…隠すんだ…
後続を…待つんだ…！
何十人って…人間がキミたちを…救けようと…動いてる…んだ！
エリちゃん…！青子ちゃん…！大丈夫…だ、キミたちは…大丈夫だ
エリちゃん…!! 青子ちゃん…!!」

大丈夫じゃないよ、センパイ

救けてくれようと、“あの時”から動いてくれてたのは知ってるよ

緑谷だって、切島だって、麗日ちゃんや梅雨ちゃん達だって

みんなが動いてくれてるのは知ってた

知ってたから、利用した

緑谷side

「ったく。“修復”と言ってもバラす瞬間はしっかり痛いんだ。もうやめだ」

「ゔゔゔ!!」

足に腕に瓦礫が突き刺さり、痛みに耐える

地面が割れて細かくなってなかったら…でっかいトゲで終わってた！

「ああ…そうやってルミリオンにも粘られた。諦めない人間の底力は侮れない」

死にかけたからこそ、餌になる

「お前達のせいでまた死ぬぞ！これが望みなのか!?
壊理!!! 破無!!!」

「!?」

“もう限界ですね…。体力も尽きてやす”

“そうか…じゃあ、そろそろ「修復」するからやれ”

“いや………っ！”

“仕切り直すんだ…早くやれ”

“お姉ちゃん…”

“いや………いやだこんなの…いや…っ”

(私は)

(私は…………)

「「望んでない…！」」

「なんで…！ダメだ…！」

一緒に逃げてくれたはずなのに、僕が開けた穴から出てきたのはエリちゃんと青子さんだ

「先輩と一緒にいるんだ、2人とも!!」

「壊理…破無…こいつ一人でこの状況、なんとかなると思うか？」

「「……………思わない」」

「………………………ッ!!!」

「ならお前達はどするべきだ？」

「「戻る………………」」