4話 謎の絵 ページ14
「実は大阪で殺されたたこ焼き屋のおっちゃん、顔馴染みやったんや!なにか盗賊団のメンバーだったらしいけど、中学ン時からあの店に通ててな、いろいろ世話になったから犯人挙げてカタキとったろ思てな…」
「それで京都に来て、犯人の手がかりを探してたってわけか…」
『それなら、いいのがあるよ』
「え?」
ポケットから絵のコピーを取り出し、服部に渡して事件の経緯を説明すると「なるほど…」と興味深そうに絵のコピーを見た
「この絵ぇの謎を解いたら、仏像だけやのうて殺しの犯人にも繋がるかもしれんな…そんでお前らも」
「ああ。仏像盗んだのが“源氏蛍”なら、義経や弁慶に関係する場所を回れば、謎を解く手がかりが掴めるんじゃねーかと思ったけど、京都はサッパリわかんねぇ」
「ほんならこの先は任せとけ!オレが案内したる」
向かった先は、五条通の住宅地の真ん中に建った神社の前だった
「ここが、五条天神や。“義経記”では五条大橋やのうて、ここで2人が出会うたことになってな。どや、なんか共通するもんはないか?」
『…………いや、なさそうかも』
「ほな、次行くで」
マンションに囲まれたこぢんまりとした境内にそれらしいものはなく、次に向かうために踵を返していると、突然服部が足を止めた
「けど、気に入らんな?なんで山能寺の坊さん、オレに依頼してけーへんかったんや?関西で探偵言うたらやっぱりオレやろ!」
「あ、それはさ警察に知られたくなかったんじゃねーのか?ほら、お前の親父さん、警察のお偉いさんだから」
「フゥーン…ま、ええか」
(いいんだ…)
(……待てよ、そう言われてみれば)
確かに服部の疑問に対しても納得がいく。大阪と東京じゃ、大阪の方が近いしその分捜査も早く進められるのに…どうして
次にやってきたのは、繁華街を進み三条通のビルの前だった
「着いたで、ここや!」
『…弁慶石?』
「弁慶がいつも腰掛けていた石やとか、比叡山から投げた石やとか、いろいろ伝承があるみたいやで」
『ふーん…』
石の隣にある由来書きによると、この石は弁慶が熱愛したと言われ弁慶は幼少の頃、三条京極に住み、死後この石は奥州高館にあった
しかし、石が「三条京極に戻りたい」と泣き、奥州高館で熱病が蔓延したので、人々は弁慶の祟りと恐れ、三条京極寺に移されたらしい
そして、その後誓願寺方丈の庭に移り、明治になってこの町に引き取られ昭和4年にこの場所に移されたらしい
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年4月9日 15時