恋人になる条件

1日目−1 ページ2

有岡side

『大貴！いい加減に起きなさい！！』


いつも通り


母親の怒鳴り声で目が覚めて


焦げたパンを食って


顔洗って歯磨きして


本当に何もかもが普通の生活


別に不満があるわけじゃない


学校ではそれなりに仲の良い友達もいるし


成績は…あれだけど


充実している方だと思う


あとは可愛い彼女が出来るのを待つだけ


学年も変わり


いよいよ高校生活もあと1年となってしまった


来年はもう社会人になる


いや、大学に行くかもしれないけど


男子高校生というイケてる名前が使えるのも


あと1年だけ


女子高生と付き合えるチャンスも


今年しかない


「何がなんでも彼女作ってやる！！」


ネクタイを綺麗に結び直し


大声で行ってきますと言って


家を飛び出した


まだ朝なのに


春のポカポカした気温が心地よい


これから20分くらいバスに揺られて


学校まで行かなければならない

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