【HQ】高校バレー界の問題児とは

四十三話 ページ44

『スイカっ、スイカっ。夜久先輩お隣よろしいですか？』

夜久｢俺はこんな後輩をもった覚えはねぇ。｣

『またまたぁ』

菅原｢そういえば昨日夜久くんと堤さん、渡り廊下でめっちゃ鬼ごっこしてたよね。あれはどうしたの？なんかめっちゃ必死だったけど。｣

『菅原さんあの動画見てないんですか？』


と言って携帯を取り出したAの首を夜久が絞める。あの動画とは、昨日のライオンキングのパロディ動画だ。
夜久の醜態の権化のようなもの。友達の菅原には見せたくない気持ちが大きかった。

やはり彼女は変わっていない。

再開したときの素直さはどこへ行ったのだろう。
相変わらずしょうもないことが好きなアホだ。


『まっ、インスタ見てくれればわかりますよ。』

菅原｢わかった。｣

夜久｢……………インスタ？｣

『YES、myメモリーにも保存シテアルヨ？』

夜久｢なっ、昨日とっ捕まえて動画は消したはずじゃ｣



＿＿＿回想

昨日、あのまま夜久から逃げ続けていたAは風呂へと逃げ込んだ。もちろん夜久は男なので、そこに入ることは許されない。Aも一安心、そう安堵していたのだが。


『お風呂上がりに待ち伏せとは…度胸ありますね。』

夜久｢お前の携帯を寄越すだけでいい。大人しく渡したら回し蹴り十発で許してやる。渡さなかったら…｣

『わ、渡さなかったら…？』

夜久｢そうだな、お前がいつも朝飯のあとにコソコソ食ってるフランスパン、監督に渡しちゃおっかなぁ｣

『！？』



何故バレている。

答えは簡単、夜久がかつての先輩だから。自分の動きは全て読まれている。

動画を消されるのは惜しいが、 フランスパンを取られるのはもっと嫌だ。渋々携帯を渡す。

それでも彼女にはまだ秘策があった。写真の復元機能、というのを皆さんご存知だろうか。あの…一週間くらい前のやつ復元するやつ。

夜久先輩は機械弱そうだからなぁ。どうせこの機能のことについても知らないだろう。



『もうできましたー？携帯返してください。』

夜久｢ほら…よっ！！｣

『いっだぁ！！』



＿＿＿＿回想オワリ




『まぁ他の人にも送っちゃったんで、手遅れだと思いますけどネ。残念でしたね夜久パイセーン？』

夜久｢くっそこのイカレ女！！｣

『やっちースイカちょうだい』

谷地｢はい！！どうぞっ｣

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