四十一話 ページ42
どうぶつの森感覚でクワガタを捕まえ、戻ってきた頃。もう先程の泥棒猫はいなくなっていた。
その代わりに音駒の部員が練習に来ていて、少し体育館が賑やかになった。
Aはその中から、夜久を見つけ、嬉しそうに夜久の元へ近づいた。
『ヤークセーンパイッ!!わざわざ来てくれたんですか?さすがですね、私の事分かってます。』
と、意味のわからない発言に一同は首を傾げる。
なんの事だと夜久が聞くと、またまたぁとカハカハ笑った。
『ライオンキングやりたかったんですよ〜。絶対夜久先輩ちっちゃなシンバ似合うと思って。
あ、これからの私の行動にはツッコミ不要です。』
敬礼をして、Aは動き出す。
まずなぜかポケットに入っていた赤いチョークを取り出す。それをリエーフの指につけ、ごにょごにょと耳元でなにかを伝える。
それからステージ付近にあった台を持ってくる。
重かったので、黒尾に手伝ってもらった。
黒尾「お前がやろうとしてること、分かった気がする」
赤葦「俺この話のオチまで見えました。」
そして残っている3人の手を引き、台の前に座らせる。その際、『皆さんのノリの良さ、信じてます』と親指をたてる。木兎はなんのことか分からなかったが、赤葦がコソッと小さく伝え理解したようだ。
最後に言うまでもないあの名曲を黒尾のスマホで流す。自分の携帯はムービーを撮る用に手元にある。
『夜久先輩はなにもしなくていいですからネ。じゃあ3、2、1、アクション!!』
[ア〜ホンニャ〜]
リエーフが夜久の額に指で線を引く。
夜久の短い前髪でしっかりとおでこが見えるので、綺麗に赤い跡が残った。
それからリエーフは黒尾とAが持ってきた台の上に乗り、夜久を持ち上げる。
両脇を抱えられた夜久はぷらんと足が地についていない状態で、少しフラフラと揺れている。
それを見た3人はキャーキャーと叫び、座っているのにも関わらず、飛び跳ねた。
『オッケーです。素晴らしいです皆さん。』
灰羽「堤!!見して!!うわ、すげ。夜久さんのシンバ感半端ないっす。」
木兎「堤ィ、後で送って!!」
黒尾「俺もー」
赤葦「俺も」
うぃっすと敬礼したAは背後に違和感を感じた。
物凄い殺気のような、今にも殺されそうなそんな感覚。
Aは震えながらぎこちなく振り返る。
夜久「ツーツーミーサーン?」
『夜久先輩…逃げるが勝ち!!』
夜久「待てコラクソガキィ!!殺す、絶対殺す!!」
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nonn - オチは、木兎さんだと思っていたので以外でした。木兎さんバージョンのオチも見たいと思いました。とても面白かったです。 (2022年2月9日 12時) (レス) @page33 id: cfc7f8846a (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 奏音さん» 夜久さんのメイド服は世界を救います(真顔)面白いと言って貰えて嬉しいです!これからも恐らくダラダラと長く続く予定なので、付き合っていただけたらと思います! (2020年5月15日 9時) (レス) id: 0de810db1e (このIDを非表示/違反報告)
奏音 - 私まだ1しか読んでないのですが、もう、面白い以外の言葉が見つかりません!wなんか堤ちゃんの性格が面白くて好きですwwwあと、流石にやっくんのメイド服はヤバいです…!グヘヘヘ←(((キモ これからも頑張ってください!応援してまーす!! (2020年5月8日 23時) (レス) id: ea3d173ac1 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 土の影さん» 土の影様が読んでくださっていたことに感激です!これからも面白いと思ってもらえる作品目指して頑張ります。コメントありがとうございます!! (2020年4月9日 11時) (レス) id: 0de810db1e (このIDを非表示/違反報告)
土の影(プロフ) - 続編出てる中こちらへのコメント失礼します!読んでいて楽しすぎて、すぐコメントしなくては…!と思いまして。本当に面白いです、これからも応援してます!更新頑張ってください!(^^) (2020年4月9日 10時) (レス) id: 71404c1896 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2020年3月21日 23時