【HQ】高校バレー界の問題児とは

一話 ページ2

私の耳に飛び込んできたのは、梟谷高校女子バレー部はインターハイ準優勝という華々しい結果を残した、という事だった。


話を聞くに、堤Aという女子生徒の活躍がとても大きかったらしい。

なんでも[高校バレー界に現れた問題児]と呼ばれているらしく...あれ、私の隣の席の人って確か。


｢ねぇ堤さん、昼休みになったよ｣

｢え、まじすか姉御。あざっすあざっす｣


のそのそと立ち上がって教室から出ていく。

い、いや、まさかね。


＿＿やっぱり気になる。



｢堤A、バレーボールっと｣


私の表情は恐らく微妙だろう。

本当に彼女が期待の一年生エースとは…。


ここまで私が疑うのにも理由がある。

ぜひとも聞いて欲しい。


まず、恐らく朝練からかえってきたと思われる堤さん、その手にはなんと…


｢なんでフランスパン食べてるの！？｣


そう、40cmくらいのフランスパンが握られていたのだ。しかもジャムもつけずにそのまま。


｢なんでって言われても。お腹すいたからに決まってるじゃないすか。あ、一口食べます？｣


と言って自分が食べていた方の逆側を私に差し出してくる。

…そんな気遣いいらない。



次に授業中。寝ているわけではありません。

彼女は隣で…


｢ちょちょちょ、それはバレるって｣

｢いや、大丈夫っす｣


輪ゴム鉄砲を作っています。かなり強力な。

いやいやいやいや嫌な予感しかしないわ。出来上がったら誰に当てるつもりなの？


｢あ、できた。よし｣


銃を向けたその先は、先生の頭だった。

一応女の先生だったので、どこかの誰かさんのようにズラをヒュんってする訳では無いのですが、輪ゴムは先生のおでこに当たりました。

もちろん先生は怒るわけで、

｢堤A｣

｢え、私すか｣

｢お前しかいねぇだろ。輪ゴム出せ、没収｣

｢ちょっと待ってください。もしかしたら隣の小関さんが飛ばしたかもしれませんよ？｣

｢はい没収ー｣

｢あぁ！！｣


ということで、私が彼女を疑った理由は以上になります。

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