_4 ページ36
_4
「…俺はね」
語り出した敬浩さんを目の前に、潮風は容赦なく吹き付ける。寒い。
やっと知ることができるチャンスに心拍数が上がって体が落ち着かない。
臣も同じようで、さっきからそわそわと手を組んだり解いたりしている。
続きを待つ俺たちを笑顔で見つめた敬浩さんは、一体どれが本当の敬浩さんなんだろう。
色々な感情が頭の中を駆け巡って追いつかなくなったとき、敬浩さんが手を叩いた。
「よし」
「…やっぱ、やーめた」
「「はあっ？！」」
「え、なにちょっとびっくりした」
臣はやっぱり掴みかかり敬浩さんに問い詰める。
俺はぽかーんとしてしまって全く動けなかった。
敬浩さんはやっぱりヘラヘラと笑っている。
「なーんかさぁ、君ら見てると言う気しないんだよね」
「あんたには言う義務があるだろ！」
「散々俺らに…！なんでだよ！！」
「隆二は？聞きたい？」
「気安く名前呼ぶなよ、答えろって！！」
「なあ！なんで笑ってられんだよ」
何も答えられない俺にも話しかけてくる位敬浩さんはいつも通りだった。
結局その後も説得に応じずに「話さない」の一点張りで臣が殴りかかろうとしたのを止めたところで話は終わった。
「じゃあ、頑張ってね〜ばいばい」
「…お疲れ様、でした…」
「………っ」
臣は、帰り道何も喋らなかった。
第13章『気まぐれな真相は闇の中へ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 252人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
春山の小春(プロフ) - reira1227さん» ありがとうございます！また次回作でもよろしくおねがいします。 (2019年6月25日 8時) (
レス) id: 3714b32197 (このIDを非表示/違反報告)
reira1227(プロフ) - 雨宮兄弟大好きなので楽しみにしています！ (2019年6月23日 17時) (レス) id: c7865bc4a4 (このIDを非表示/違反報告)
春山の小春(プロフ) - 麗華さん» 返信出来ず申し訳ありませんでした。なんとかラストまで書き終えることができました。次回作でもどうぞよろしくお願いします！ (2019年6月20日 7時) (レス) id: 24ef585744 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - 毎日めっちゃ楽しみに見てます！ラストまで頑張ってください！！ (2019年5月27日 22時) (レス) id: 860c6ebc86 (このIDを非表示/違反報告)
春山の小春(プロフ) - シュニーさん» ありがとうございます！ラストシーンまで駆け足で作成中ですので是非最後までよろしくお願いします。 (2019年3月21日 12時) (レス) id: 3714b32197 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：春山の小春 | 作成日時：2017年9月15日 20時
