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臣に連れられて、いつもの屋上に入った。
入って早々に、抱きしめられた。
そのまま俺は。
臣の腕の中で泣いた。
一度誰かに愛されてしまえば、孤独が重くのしかかってくる。
知らないふりをしていたけど、臣に包まれた瞬間愛情に溢れてしまった。

「…もう臣しかいないよ…っ!」
「俺本当はあんな家居たくないんだよ、」
「なんであいつら2人と一緒に居なきゃならないんだよ…!」

「もう、どこでもいいから…っ、」

ー逃げ出したい。

自分の中に閉じ込めていたものを全部さらけ出した俺に、臣はひとことだけ言った。

「じゃあ、逃げるか」

「2人で」

どこでもいいから、と言ったけど俺には別の居場所なんてない。
臣が俺の弱さに付き合う義理はある?
恋人ってそこまでしてくれるの?
俺まだ何も言ってないよ、家のこと。

「…いい、の…?」
「ん」

「逃げてもいい?」
「いいよ」

臣はどうしてこんなに優しいんだろう。
なんでも汲み取ってくれるんだろう。
臣が差し出した手を握ることしかできない俺はやっぱり弱い。
でもなぜか、臣の手も少し震えていた。
臣を見ると、切ない目が俺を見ていた。

「俺も、逃げてきたから」

「弱いから、逃げた。一緒」

「だから、無理しなくていい」

微笑む臣に乗せられて、久しぶりに授業を朝からサボった。
その間に、今まで話してこなかった家の話をした。

両親が、ずっと前から浮気してること。
世間体を気にして仲のいい夫婦を演じてること。
堂々と好きな相手に会えない苛立ちを、2人とも俺にぶつけていること。

ー俺が、ずっと1人だったこと。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 臣隆 , BL   
作品ジャンル:恋愛
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おりう - それも楽しみです。 (2017年9月15日 21時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» もうこれからの目標としては直人さんに早くたかのりって呼ばせたいです (2017年9月10日 21時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - たかのりー!平和を願ってます。応援しています。 (2017年9月10日 20時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» 平和的解決できるでしょうか…頑張ります (2017年9月7日 7時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - 信じてます。二人の幸せも信じてます! (2017年9月7日 6時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春山さつき | 作成日時:2017年6月1日 20時

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