第9章_1 ページ31
1.
朝起きると、横に臣の姿はなかった。
そして俺はなぜかベッドに寝ていた。
昨日たしか、臣の隣でうとうとしてそのまま寝ちゃったんだと…思う。
その証拠に服は昨日のままだった。
「おみ…?」
まだ眠気が残る朝6:00。
目をこすりながら臣の姿を探す。
キッチンから音がする。
「ん…、っ?!」
後ろ姿で、わかってしまった。
俺はそのまま部屋に戻り、臣にLINEした。
昨日、何時に帰ったのかと。
返事はすぐ来て、どうやらあの後すぐに俺が寝てしまい臣は俺をベッドに運んで帰ったらしい。
俺の文章から焦りが見えたのか、誰とも会ってないよ、と付け加えてくれた。
「よかった…!」
そのまま制服に着替え、キッチンには目をやらずに準備をする。
ただ、朝飯を抜くわけにもいかない。
仕方なくリビングのソファーに座ってキッチンが空くのを待つ。
スマホに集中してるフリをして、あの人の機嫌を伺う。
「隆二」
「最近、夜に家を空けてるらしいな」
案の定、突っ込まれた。
バレてた。
「…悪い?」
「ああ、悪いな。近所の人がどう思うか」
ダイニングに1人用の下手な朝食を置いて、俺の“父親”がそう言った。
「…俺の勝手だろ、」
「親に向かってその口の利き方はなんだ」
いつもこう。
俺のことより、自分のことばかり。
母親もそう。
夜2人ともいないのは、2人とも違う相手と会っているから。
それに対する苛立ちを、2人とも俺で解消しようとする。
だから、俺は家に居たくない。
少しでも臣と一緒に居たい。
臣が俺の家に居るのがわかれば、きっと怒るだろうから。
「…うっせぇんだよ」
「なんだって?」
朝飯は諦め、そう言い残して家を出た。
途中、コンビニで何か買えばいい。
臣の弁当は、謝ろう。
ごめん、あの人に逆らうとさ。
ー俺何されるかわかんないんだ。
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おりう - それも楽しみです。 (2017年9月15日 21時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» もうこれからの目標としては直人さんに早くたかのりって呼ばせたいです (2017年9月10日 21時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - たかのりー!平和を願ってます。応援しています。 (2017年9月10日 20時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» 平和的解決できるでしょうか…頑張ります (2017年9月7日 7時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - 信じてます。二人の幸せも信じてます! (2017年9月7日 6時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春山さつき | 作成日時:2017年6月1日 20時