誰も知らない僕らの居場所。2

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臣が言いかけた言葉を遮って。
初めて俺から臣にキスした。
そのまま離れようとしたけど、気付いたら臣に腰を捕まえられてた。

離れかけた唇を、また臣が繋げる。
一瞬顔を見たけど、あれはダメだよ。
自分が小動物になって、肉食動物に食べられかけてる気分。

「…っは、おみ…」
「今のは」

「隆二が悪い」

なんて。
吐息交じりに言われたら。
いいかなって。

ー臣になら、食べられちゃってもいいかなって。

そんなことを考える俺は、嫌いかな。
正直に言えば、怖くて仕方ない。
だって経験値は0なんだから。
臣に任せるしかなくて、俺からなんて言えない。

「隆二もう、離れて」
「ん、っおみ…？」

臣のキスに夢中になってると、突然引き剥がされた。
せっかく周りが見えなくなってきたのに。

「そろそろ、俺が耐えらんない」

ーそんなこと、今の俺に言っちゃダメだよ。

「…だから…？」
「え、？」
「だから、なんだっていうんだよ」

今の俺、多分臣より肉食だよ。
目の前の臣が欲しくて欲しくて。
手を伸ばしても届かない人だと思ってた。
でも届いたんだよ。
だったら、もう逃がしたくない。

ずっと、俺を愛してほしい。

「ねぇ、臣」
「なんで耐える必要があるの？」

お願い、臣。
止めないで。
今、全部言ってしまいたい。

「俺って…臣の恋人、だよね？」
「なら、臣は我慢する必要、ないよね？」

臣の目が、一瞬揺らいだ。
迷ってる。
何に迷ってる？

「…臣、」

追い討ちかければ、落ちるかな。
なんて考えていたら。

「あーーーー！！」
「臣さんと隆二さん、いちゃいちゃしてる！」

岩ちゃんの声が、こっちに飛んできた。
おもいっきり指差して。
直人さんがあたふたしてる。

「この…ばかわんこ！」
「痛っ！？」

直人さん、躾よろしくお願いします。
そして二度と、俺達のキスシーン撮らないように言ってください。
あとその写真、後で俺に送ってから消してね。

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