誰も知らない僕らの居場所。2

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「隆二、そういえばさ。いつから俺のこと好きだった？」
「ん、俺結構一目惚れ」
「じゃ俺と同じ」

どうやら臣は、俺とほぼ同じタイミングで俺と同じ恋を始めていた。
今ならわかる。
彼女できそうにないとか、食べさせてくれとか。
あれは全部、恋人になる前の臣の愛情表現だったんだ。

「隆二はじめて見た時、こいつとなら一緒に居たいなって思った」
「俺はただ、かっこいい人だなって…」

幸せだな。
知らなかった。
こんなに愛しい人ができるなんて。
呆れたりしないでね。
わがままも許してね。

ずっと臣だけを想ってるから。

だから。

「臣、好き」
「なに急に」

そう聞いても、少しのため息と一緒に。

「俺も好きだよ」

そう言ってくれる臣が好き。

この恋だけは。
壊れないように少しずつ、少しずつでいいから育てていきたい。
誰にも邪魔されたくない。
急ぎたくもない。

「…ごめん、許して」
「へ、？」
「…キスしたい」

臣のペースで、俺のペースでいい。
たまにするキスが、ちゃんと愛情を伝えてくれる。
もう恋人になったんだから。
まだ片想いだった何日か前とは違う。

それが、俺と臣を安心させていた。

油断、と言い換えても良かったかもしれない。

舞い上がっていた俺達は、あの人のことを忘れてしまっていた。


まだ、恋人になっていなかった頃が。
もしかして2人にとっては良かったのかもしれない。

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