清明な滝 ページ11
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「え? あ、ヴィルさんとは仲良くさせて貰っています。以前 映画に出させていただいた時に話して、それで」
「フォロワー数 五百万人越えの超有名人だよ!? うっわ、やるなぁAちゃん!」
「そうでしょうか。女優? とか、モデルとかよく分からないんですけど・・・。私にとってヴィルさんは大切な先輩です」
撮影の時のことを思い出しているのだろう、口元を緩ませるAの姿に、ケイトは不覚にもドキリと心臓を跳ねさせた。
いけない、彼女につけこまれてしまってはいけない。
いつの日かタコとウツボに噛みちぎられることになる。
「へ、へぇ! そうなんだね。ってことはルークくんとかとと知り合い?」
「ル、ルークさんですか? あの人はイマイチ掴めない人です。ろ、ろあどぅ? まーめいど? とか言って褒めちぎってきて恥ずかしくて」
「あぁ、想像つくなあ」
しばらく廊下で立ち話をしていると、どこからか「ケイト!」と名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
見ると、つい先日Aにお菓子作りを教えてくれたトレイが珍しく焦った表情で駆け寄ってくるではないか。
「トレイくんどしたの? そんなに慌てて」
「呑気なこと言ってる場合か。マーメイドをマジカメに上げるのは御法度だ。暗黙の了解だぞ」
「やば、そだった」
トレイがAたちに見せたスマホには、何の変哲もない先程のケイトのマジカメの投稿が映っている。
ただいつもと違う点があるとすれば、普段 マジカメを触らないオクタヴィネルの三人が、「いいね」を押していることくらいだろう。
「わわ、今すぐここから離れましょうケイトさん、トレイさん!」
「逃げるが勝ちってヤツね〜!」
「待て! 俺を巻き込むんじゃない!」
二人の手を取ったAは、そのまま中庭を突き抜けて校舎外へと走る。
途中、何やら射殺すような視線を感じたが、そのまま無視をして走り続けた。
「あは! やっぱり走るっていいですね。足があるって最高!」
「Aちゃんっ! どこまでいくの!?」
「お、俺はもう解放してもいいんじゃないか!?」
向かう先は鏡舎だが、その道の途中でAは右隣のケイトに向かって笑いかけた。
「ケイトさん! 今っ! は、はぁ、写真撮って! マジカメ上げよ! 喧嘩上等!」
「え、あ」
この笑顔に、すとんと落ちた。
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蒼空(プロフ) - あ、バレました??ww (2020年10月5日 0時) (レス) id: babd69b29c (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 蒼空さん» ありがとうござ・・・ん? あなた、もしやここに来るのは二度目ですな・・・! (2020年10月2日 21時) (レス) id: 46b7785a4c (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - うるさん» 大変嬉しいお言葉ありがとうございます。最近ちょっと更新停滞気味だったのですが、お陰様で頑張れそうです。 (2020年10月2日 21時) (レス) id: 46b7785a4c (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - あ…しゅきぃ…(語彙力皆無) (2020年10月2日 20時) (レス) id: babd69b29c (このIDを非表示/違反報告)
うる - この作品がすごく好きです。これからも楽しみにしています。 (2020年10月2日 8時) (レス) id: 73336d6f0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユナ | 作成日時:2020年9月15日 18時