kn×shp(1) ページ7
kn「これさ受け取ってくれへん?」
そう言って雑に渡してくれたのは水色の小さい飾りがついたペアリングだった。
裏には『k』と掘ってあった。
「....先輩...ムードって言葉知ってます?」
といつもの調子で煽ったが、内心めちゃくちゃ嬉しかった。
kn「うっせ〜!」
「先輩も同じようなの持ってるんですね...その裏にちゃんと『s』って掘ってありますか?」
kn「そりゃそやろ!掘ってあんで?」
「一生離さないでくださいね....」
kn「....任せろ!」
「はぁ...」
指にハマったそのリングをクルクルと弄びながらエミさんがくれた紅茶を飲んでいた。
コネシマさんが任務でここを離れてから約3年が経とうとしていた。
もう季節は冷え込み、あたりはクリスマスのムードに包まれる中、それに似合わないため息をついた。
いつ帰ってくるのか分からない先輩を俺はいつまで待っていなきゃ行けないのだろう...。
トントンさんにも聞いてみたが....連絡が取れないらしい。
心配ではあるが、ちょっとどこかでフラフラして遊びまくっているのではないかと思ってしまった。
「はよ...帰ってこいよ....」
『あー...みんな聞こえるか?』
インカムから流れてきたグルッペンさんの声に皆が反応する。
『至急ペ神の所へ来てくれ。コネシマが帰ってきた』
そう伝えると直ぐにインカムから声は聞こえなくなった。
柄ではないがこれはクリスマス前に神様がくれたプレゼントなのだろうと1人で舞い上がったのが馬鹿だった。
コネシマさんは意識がなかった。
敵との交戦で脳の1部を損傷し、一時的記憶....つまり、この城で、一緒に過ごしたことも忘れてしまっているらしい。
自分の名前も、みんなの名前も....そして俺のことも
クリスマスですよ?皆が幸せになれる日でしょ?
不幸にしないでよ...忘れないでよ...
kn「っと...とりあえず俺の名前がコネシマってことも理解したし...任務でここを出たことも覚えてる。記憶が飛んだっていうのもそれが原因だってことも理解した」
tn「じゃぁ...俺らの名前分かる?一人一人」
kn「ぼやけるんだ....多分お前らと過ごしてきた思い出がぼやけて...頭の中にあるんだ...すまん...名前は分からないから....教えてくれないか?」
希望も何も無いな...
この男同士という不純な関係も何もかも忘れたのなら....忘れたならもういいじゃないか。
コネシマさんは正しい道を歩けるから。
ーーーー
続く
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マサ(プロフ) - 奈飴亜さん» そうなんですよ!少年の日の思い出っていう物語なのですが、emさんが蝶なのか青年なのかよく分からなくなってしまいました。。まぁとらえかたとしては、青年とその蝶をemさんに重ねているみたいな感じで捉えてくれると嬉しいです(?) (2020年8月8日 8時) (レス) id: 721f7f3b6e (このIDを非表示/違反報告)
奈飴亜(プロフ) - 最後の作品てあれですよね?教科書に乗ってる小説のやつですよね!zmさんが言ってたのってその事ですよね!ちがいますか?このことが言いたかっただけです、すみません (2020年8月6日 17時) (レス) id: 969193beea (このIDを非表示/違反報告)
マサ(プロフ) - カイさん» まじで!?いやぁ上手くかけてる自信なかったから嬉しいわ!!応援ありがとう....ぜひ続編よろしくお願いします!! (2020年4月22日 20時) (レス) id: 721f7f3b6e (このIDを非表示/違反報告)
カイ - tn×shp+ch好きかもしれん。やばい。()あ、応援してます! (2020年4月22日 20時) (レス) id: 03dad639ea (このIDを非表示/違反報告)
マサ(プロフ) - 桜華さん» ほんまやぁぁぁぁぁぁ!!教えてくれてありがとうございます!!目ガバです。すいません....(言い訳 (2020年3月5日 17時) (レス) id: 721f7f3b6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マサ | 作成日時:2019年11月11日 19時