【◇】ないものねだりな俺らの恋２

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東条


「そんなに点数取れたんだ、すごいじゃん！」

「東条君それ絶対に思ってないでしょ？因みに、数学のテスト何点だったの？」

「ん？90点。」


そう答えると、Aと沢村から起きるブーイングの嵐が面白くて笑ってしまう。


「俺…今度、東条に教えてもらおうかな。」


沢村がポツリと溢した言葉をチャンスだと思った。


「俺は別に構わないけど。Aも一緒にどう？」


沢村のおかげで次回のテスト前にAを誘い出すいい口実ができたと内心ガッツポーズをする。


「東条は優しそうだし、そうしようぜ！！」

「おいテメエ…俺に喧嘩売ってんのか？」


茶番で信二が沢村に詰め寄り出すと、どうやらそれを本気と捉えたのかAが慌て出した。


「さ、沢村君！確かに金丸君は怖いとこも「あ？」

「いや…今のは間違いで…。金丸君はその、時に厳しくもありますが…ちゃんと教えてくれるし！」

「お前、日本語変になってんぞ。」


俺の誘いの返事は何処へやら、いつの間にか信二と仲睦まじく会話するA。


……まただ。

どんなに俺が頑張って話題を振っても、何も考えずに喋っているであろう信二との話の方が楽しそうで。



笑顔を作れず、信二に対する嫉妬心が外に溢れ出てきそうになるのを必死に堪えることしかできずにいた。


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