20.反省 ページ20
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…どれくらいの時間が経ったのだろうか
体感ではもう一日を経過しているが、呪いが発動しないということはまだ日も変わっていないのだろう
…これからどうすれば良いのだろうか
おそらく、彼らに大人しく従えばここから出られるのだろう
硬い床に腰を下ろし、虚無を見つめて自問自答を繰り返す
涙は枯れ果て、体力もほとんど消耗してしまった
わずかな気力で首を動かすが、扉が開く様子は無い
……心が壊れそうだ
__
｢A、お話ししよか｣
｢っ…！｣
不意に足音が聞こえ、部屋に痛いほどの光が差し込んだ
あまりの眩しさに目を細めていると、少し心配しながらロボロさんが寄ってきた
｢ちょっとやりすぎたか…｣
そう言って、私の赤く晴れた目を優しく撫でる
ニンゲンって案外脆いんやな、なんて呟いた彼は、そのまま隣に腰を掛けた
距離を取りたいが、そんな力は残っていない
せめてもの抵抗で、面布をずらしたロボロさんから視線を外す
｢A…実はな、これ提案したのは俺ちゃうねん｣
｢…ぇ｣
落ち着いた声で、閉じ込めようとしたのは自分じゃないと断言したロボロさん
思わず顔を向けてしまい、奇麗な桃色の双眼と目が合う
…ゾムさんが？
恐る恐る訪ねると、ゆっくり首を縦に振ったロボロさん
｢そんな…｣
｢あれだけ縛ることを避けてきたあいつがやで。もう信用度はゼロやろうな｣
無自覚なのか、笑顔で容赦なく切り込みを入れるロボロさん
…私は彼からの信頼を踏み躙ってしまったのか
知らぬ間に、新しい涙が頬を伝う
｢なっ、まだ泣くん？…大丈夫やでA。ちゃんと反省したら、きっとゾムも許してくれるはずや｣
"ここに居たいって言うてみ"
耳元で、異常なまでに吊り上がった口から発せられた言葉
濁り切った、奇妙な瞳がこちらを捉えて放さない
｢ぁ…｣
｢ゆっくりでええから、ちゃんとAの気持ちを伝えるんや｣
彼の狂気じみた表情に、恐怖で震えと涙が止まらない
｢か…帰りたい｣
束の間の沈黙
馬鹿すぎる無意味な抵抗に、言ってから後悔した
｢…まだ言うか｣
弾み気味だった語尾が一気に沈み、失望したとでも言いたげな表情で見下される
……今は、嫌でも嘘を吐くべきだった
ロボロさんはそのまま無言で立ち上がり、地上に繋がる扉の方へ向かって行く
｢お仕置きは続行やな｣
部屋を出る時、彼は楽しそうに笑っていた
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へる(プロフ) - るんぱっぱさん» コメントありがとうございます！不定期ですがこれからも応援よろしくお願いします！！ (2022年7月27日 20時) (
レス) id: 0fe9e0073c (このIDを非表示/違反報告)
るんぱっぱ - めちゃくちゃ好きです!!!更新待ってます!!! (2022年7月27日 18時) (レス) @page21 id: c984097aec (このIDを非表示/違反報告)
へる(プロフ) - きうさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！！ (2022年6月29日 20時) (レス) @page11 id: 0fe9e0073c (このIDを非表示/違反報告)
きう - あ、すごい好きです、はいw めっちゃもう好きすぎて爆発しそううです（？） 更新頑張ってください！！！ めっちゃ応援してます！！！！ (2022年6月28日 0時) (レス) @page10 id: 9c9fedb973 (このIDを非表示/違反報告)
へる(プロフ) - 宮村さん» コメントありがとうございます！ストーリー気に入ってもらえてとても嬉しいです😊 (2022年6月25日 20時) (レス) id: 0fe9e0073c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：へる | 作成日時：2022年6月24日 0時
