俺に落ちるまで 4【及川徹】

172話 ページ25

そしてその光景を見ていた1年生はというと


国｢俺絶対に知り合いとか思われたくない｣

金｢それは無理だろ…まぁ及川さんと岩泉さんは仲良いもんな｣

国｢は？あれのどこをどう見て仲がいいの？｣

金｢喧嘩するほど仲がいいって言うだろ？｣

国｢お前及川さん達大好きだもんな｣






2年生もこの光景をみていた


花｢クソ川、殺す｣

鈴｢おいぃ！お前が言うとマジに聞こえるからやめてくんね？！｣

花｢だってAめちゃくちゃ困ってるじゃん！！見てみてよ！あの顔！！！表情筋死んでるよ？！｣

矢｢確かにな｣

鈴｢何かその場対応ってやつだな｣

花｢あ、Aめっちゃ笑ってる｣

矢｢あいつあんなに笑うんだな｣

鈴｢確かにな｣




一方3年生はというと


松｢今年もやってんな、あいつら｣

花｢毎回騒がしーのな｣

松｢まぁ、俺ら今年最後だし？｣

花｢あれがあいつらだしな｣

松｢派手に終わらせた方が思い出に残りそうだよね｣

花｢記憶に残るよな｣



松・花｢｢ま、いんじゃね｣｣



だ、そうです。


あ｢あ、あの、｣

及｢あ！ご、ごめん｣



岩｢で、お前のお題なんだったんだよ｣

及｢え？知りたい？｣

岩｢その顔うぜぇからやめろ｣

及｢…うっす｣


すると及川さんが、｢これだよ｣と紙切れを見せてくれた



岩｢なんかわかる気がするわ｣

及｢でしょ？｣

岩｢おう｣




及川さんが見せてくれた紙切れにはこう書かれてあった




"お姫様"


って、



私が？


及｢Aちゃんが引いたお題と俺の引いたお題が、お互い求め合ってたって凄すぎない？！｣

岩｢お前が言うと気持ち悪く聞こえるからやめろ｣

及｢な、岩ちゃん…酷いっ｣




確かに私が引いたお題は王子様で、


及川さんが引いたお題はお姫様。



なんかこれって…


及｢何か俺とAちゃん、おとぎ話に出てくるお姫様と王子様みたいだね｣

あ｢！｣



｢借り物競争に出た選手は退場門に退場して下さい｣と放送がかかった


岩｢次は部活リレーだな｣

及｢いよいよって感じだね｣

岩｢転んだら許さねぇからな｣

及｢及川さんに限ってそれはないから安心してよ｣




その後、岩泉さん達の後に続き自分のクラスの応援席に戻っていたが…何故か自分の顔の熱さが治まらなかった


及｢あ、次の部活リレーAちゃんゴールで待ってて｣


あ｢え？｣

なんでか分かってない私に及川さんが言った


及｢だって、Aちゃんに及川さんのかっこいいとこ見てほしいもん｣

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