勿忘草の丘 ２.【オリジナル長編物語】

48話 ひとりぼっちの保健室 ページ3

ハッとして目がさめると、そこには古ぼけた白い天井が。

今私が寝ているのは普通のベッドだ。少し硬いから学校のものだろう。

きっとここは、保健室。

時計をみると、現在午前１１時。職員室や保健室には人がいないようで、しーんと静まり返って

いる。聞こえてくる音といっても、外から雀の鳴き声が耳に入る程度だった。

何故私はここにいるんだろう。 今までの事がよく思い出せない。

確か、一矢が骨折して……



……あれ？



本当に思い出せない。目の前が真っ暗になったところまでは覚えてるけど、その時どんな気持ち

だったのかが全く思い出せない。まずいぞ、もう年だっていうのか。あれなのか。

それに、誰が私をここまで運んできたのかも覚えていない。ルシアかな？

いつの間にか、私の隣にアレンがいるし。すぐそばにいたのに気付かないなんて、本当に大丈夫

か自分。ここんところ妙にぼーっとしているが。



「A、起きたんだね。大丈夫？」

「なんだアレン、ついて来てたの？ ひとりで校内探索でもしていればよかったのに」

「あはは、酷いなぁ。僕は君がいないと迷子になっちゃうよ」

「そっか………」



私がどんな冷たい言葉を投げかけても、アレンは笑って聴いてくれる。本当に方向音痴の迷子な

のか、方向音痴なのを言い訳にしてひとりになることを逃れようとしたのか。

答えなんてどちらでも良かった。私はアレンの視線から顔を背けて、奥の窓の方を見る。



「……！ 窓に誰かいる」

「えっ？」



大きく開かれた窓に、私と同い年か一つ下っぽい少女が座っている。誰かに似ているようで少し

違う、白髪金眼ポニーテールの少女。雰囲気も、感じた事がないもの。

銀色の鎖のネックレスみたいなのもつけてるし、絶対この辺りの人じゃないって。

彼女は私が気づいたことを知って、スッと窓から飛び降りた。

そして私のところまで近づき、アレンの反対側に歩いて来る。



「あの、もしかして、貴方は……」

「あらアレン、久しぶりね。覚えていてくれて嬉しいわ。彼女が貴方と一緒に修行してる子？」

「は、はい。繋木 Aさんです」

「ふーん。あ、自己紹介が遅れたわね。私は光日紗羅。昨日は黒猫のが迷惑かけてごめん」

「あ、いえ、猫は好きなので。えっと、光日さん」

「紗羅でいいわよ〜、同い年みたいだし！」



なんだか、凄い人と会ってしまった様だ。

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キャラの最近つぶやき【２.】編

雷華 「最近暇すぎて百合亜の人形で寅と遊びだす夕食後の自由時間。」

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