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203話 故郷と血筋 ページ23

アイビーに二人の年齢を尋ねた直後、私はそのまま眠ってしまったらしい。

彼女に起こされた私は、眠い目をこすりながらテーブルへ向かった。

荷造りと細かな計画を立て終え、何食わぬ顔で兵士の食堂へ向かったカエイとサミダレ。

今夜、この国の王族や兵士全員を敵に回すはずなのに…… なんという余裕だ。

結局、仕事の3日間で家に帰ることはできなさそう。しかし、カエイ達のおかげで早く帰れそう

なのは事実。感謝しなくては。

それにしても、帰ったら澪達になんて言おう。絶対に泣きつかれそうなんだよね。

うんうんと唸りながら椅子に座ると、心配したアイビーが私の顔を覗き込んできた。

赤褐色の瞳に目を奪われ、動けなくなる。



「A様、お身体の調子が優れませんか?」

「あ、いや。アイビーが誰かに似てるような気がして。私と会った事がある人なんだけど……」

「そうなのですか。もしかしたら、カエイ達が探していた方々の中にいらっしゃるかもしれませ

んわ。大体は髪色で何処の地方の方なのか分かりますし」

「ふーん。そういうの詳しいんだね」

「えぇ。昔から覚える事だけは得意なはずなのですが、何故か幼少期の記憶だけは……」



ふーむ、アイビーの幼少期に靄がかかっているのが気になるところ。

彼女の元々の記憶力はとんでもなく高いようだが。

そして何より、もっと気になっていたのはカエイとサミダレのこと。

彼女らは情報収集の為、一時的にサイネリア王国の下っ端兵士になっていた。

同郷の方々である百合亜さん達を探し出し、故郷の再建を図るということは、百合亜さん達の本

来の故郷はあの街ではないということか。それとも、百合亜さん達の親世代の方々が、その滅び

た故郷の出身なのか。

百合亜さんのことは知っているようだったから、知り合いってことで前者もあり得るかもしれな

いけど…… それなら百合亜さん達も故郷の再建に尽くしているはず。

でも、百合亜さんの生まれ故郷はあの街だって、妹の紗羅が言ってたし……

仮に後者が正しいとすれば、あの二人が今探しているのは桜さんってこと?

でももう、桜さんは既に故人。二度と逢えない人なのだ。

その日之影家が滅びた故郷の特別な血筋のものだったとすれば、その力に頼る事もありそう。

現在有力なのは後者なんだけど、やっぱりちゃんと確認しないとなぁ。



「で、カエイとサミダレって今いくつ?」

「それは二人が帰って来た頃に聞きましょう」

「えー」

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ラッキーカラー

あずきいろ

4. までのキャラが扱える楽器をご紹介!《共通点も考え中》

シネラ:???…… まさかのオリジナル楽器です。ネタバレになりかねないので???状態。


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設定タグ:シリアス , 魔法 , 恋愛   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:さやや | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8211/  
作成日時:2017年8月12日 22時

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