199話 バスタオルを巻いて ページ19
【アレン 視点】
王城にある浴場は、ホテルや旅館のように男湯と女湯に分かれている。
アルメリア王国自体が各国の色々な文化を取り入れていたこともあり、近隣の火山の地熱を使っ
た小さめの温泉もあった。
僕は皆が浴場を出た後、ひとりでゆっくりと湯に浸かる。
「ふぅ……」
何故そんな事をする必要があるのか、答えは簡単だ。
僕の左脇腹には、いつの間にかついてしまった赤黒い痣があるから…… だから、僕は皆を心配さ
せたくなくて、わざわざこうしている。
特にロックさんは、こういう痣みたいなのを見ると怖がるみたいだ。師匠やミリヤさんがそう言
っていた。理由まではきけていなかったから、今度尋ねてみよう。
きっと、小さい頃に何かあったんだろう。1度目の襲来の数ヶ月後に姿を消し、1年くらい前の
3度目の襲来の時に帰って来たと紗羅さんが言っていたなら、あの10年の間に……
『アレン?』
「えっ!? あっ、A!?」
『うん、私』
「あわわわわ、ちょ、ちょっと待って! もう少し待ってて!!」
『はーい』
なんで今話しかけてくるの!? 酷いよAー!!
と、とりあえずバスタオル巻かなきゃ…… って意味ないじゃないか!
まぁいいや、気休めぐらいにはなるよね………
「これからはもう少しおそい時間にやってね!」
『りょーかい』
「それで、どうかしたの? そっちの現状報告がしたいなら、すぐに皆の所に行くけど」
『いや、このままでいい。丁度私のメイドさんがいなくて、暇だっただけだから』
「そっちの人達にはよくしてもらってるみたいだね。まさかずっと幽閉生活?」
『うーん、王城内なら自由だけど、外出許可を申請したり貰ったりしたことは……』
「じゃあ明日、そっちの王様にお願いしてみて! 僕らも迎えに行けるようにしておくから!」
『うんうん』
僕はAに注意をした後、濡れた頭をタオルで拭きながら、彼女と愚痴を言い合っていた。
軽い現状報告を終え、軍のみんなの意外な所を教えあったりもした。
まぁ本当は、好物や嫌いな物や基本的な戦闘方法ぐらいしか言わなかったんだけどね。
『ではさらば』
「うん」
「おいアレン、そろそろ出ろよー」
「あ、師匠。もうちょっと待っててください、すぐ着替えます」
「ん? お前、Aと話してたのか。その格好で?」
「はい?」
………いやコレは仕方ないじゃないですかー!!
200話 星々煌めく銀の銃→←198話 王女と妖精が暮らす城
ラッキーカラー
あずきいろ
4. までのキャラが扱える楽器をご紹介!《共通点も考え中》
シネラ:???…… まさかのオリジナル楽器です。ネタバレになりかねないので???状態。
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作者名:さやや | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8211/
作成日時:2017年8月12日 22時