208話 似た者同士の衝突 ページ28
【雷華 視点】
「ほら、一昨日歩いた砂漠の入り口が見えてきたわよー！ みんな、頑張ってー！」
「ホント、帰りは木陰の道を選んで正解だったね。ボクもう漆黒の悪夢に取り込まれそう……」
「ちり姉も弱音吐かないでっ！ 暑いのはここまでだし、今からは夏でも寒い森野の森へ入るんだ
から。ついでに木ノ葉達にも会って、勇助との再会を……！」
「おいおい、本当に俺達が通った近道を行くのかよ。だからアスターを置いてきたのか？」
「あ、それは偶然よバトラー。それより貴方、寒さが苦手な彼女にこんな所を歩かせたの？」
「あー いや、それはだな……」
お転婆な紗羅は今日も騒がしいが、周りの空気がお疲れっぽいからもう少し頑張ってもらおう。
実際、ここで足を止めたらすぐ夜になってしまう。
それであのくっそ寒い森を歩くのは危険だ。砂漠の夜だって、昼とは比べ物にならない程寒い。
太陽が西に傾きだして何時間か経つ。今から森に入り、森神と会って家へ帰る頃、憶測ではある
がどっぷり日が沈んでいるだろう。
「わぁ〜！ ウチら神様に会えるんやて、めっちゃ嬉しいわー！」
「あはは…… ユラは紗羅と同じくらい元気だね。女の子ってみんなそうなの……？」
「………まさか」
ミトライユーズの３人組は相変わらずで、戦闘時の底抜けの体力はどうしたと問い詰めたい。
森野の森についてはあえて触れないでおこう。駄洒落なのかなんて聞いてはいけない。
……ところで、私のお隣さんの調子が悪そうなんだけども。大丈夫かよおい。
「おいロック。お前、やっぱり"アレ"を持ってないから、調子が悪くなったんじゃないのか？」
「だ、大丈夫だよ、このまま何事もなければ」
「大丈夫じゃないからきいてるんだろ？ なんだよ、隠してる事があるなら」
「そ、それは雷華だってそうじゃないか……！」
「なっ！？ ……それはまぁ、人には言えないような事だし」
「僕だって、そうだよ」
「………ヤバくなったらすぐ言えよ」
「う、うん」
約１０年前、丘の雪山の麓で"奴"に誘拐されたロック。何をされたのか詳しく知らないが、左手
の謎の黒ずみや深緑から黒になった瞳とかは、この件と無関係だ。
瞳の色は、百合亜の魔法で変えさせてもらっているんだろう。微量だが彼女の魔力を感じる。
黒ずみや尖った耳は元から。注射器等が苦手になった所以外、特に変化はない……
「お、おいロック！ 大丈夫か！？」
………何が、あった？
ラッキーカラー
あずきいろ
４. までのキャラが扱える楽器をご紹介！《共通点も考え中》
シネラ：？？？…… まさかのオリジナル楽器です。ネタバレになりかねないので？？？状態。
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作者名：さやや | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8211/
作成日時：2017年8月12日 22時
