恋に落ちた ページ1
＿ある日の事だった。
俺は偶々街に出てぶらぶらと散歩をしていた。
ふと、大きな怒鳴り声が辺りに響いた。俺の少し手前で揉め事が起きたらしい。
興味本位で近寄ってみた。狼狽える少年と蹴り飛ばされる女性が目に入った。
流石に暴力はいかんだろう。そう思い未だに、女の癖に！と怒鳴り続ける男を止めようとした時だった。
「女の癖に？」
男が突き付けた指がメリッ、と音を立てた。
「そいつは恐れ入ったねェ」
女性は男の指をギチギチと握りしめている。
「女らしくアンタの貧相な××を踏み潰して××してやろうか？」
所々、何を云っているのか俺には聞こえなかったが男にはしっかりと聞こえていたらしい。情けない悲鳴をあげて逃げて行った。
中々なものだと感心していると、不意に女性が俺の方を振り向いた。いや、正確には俺の隣に居た少年の方を、だが。
兎に角、女性が俺の方を向いた。後ろからだと見えなかった顔が見えた瞬間、
＿ゴトリ＿
何かが落ちる音が聞こえた。
女性はそのまま俺を一瞥もせずに行ってしまった。だが俺は立ち尽くしたままだった。
確かに、俺の中で何かが落ちた音が聞こえた。俺の中の何処とは云えないが、確かに俺の中で。
それが、
＿恋に、落ちた瞬間だった＿
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Asterisk@あーちゃん(プロフ) - 『鳳』って、与謝野晶子女史の旧姓ですよね！！ (2019年5月14日 22時) (
レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
Asterisk@あーちゃん(プロフ) - コメント失礼致します。凄いです、こんな小説を探していました…！主人公が鉄幹さんなんて、凄く素敵です！！ (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
藍斗(プロフ) - 続編希望です！ (2018年7月30日 10時) (レス) id: 2f591e73cb (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - １ (2018年7月27日 17時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 1 (2018年7月27日 13時) (レス) id: 6ed63001fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペンギン屋 | 作成日時：2018年7月9日 23時
