第四章第十五話 ページ15
とりあえず決まったことが、
中継係、キルアと私
運転手、レオリオ
攪乱係、ゴン
ということになった。
決まったのはいいのだが、何やらクラピカは納得の言ってない様子だった。
そして、納得のいかない顔で私に言った。
「Aは、大丈夫なのか？」
もしかして、私が旅団に狙われていることをゴン達は話したのかな？
私は「うん！てか、狙われてるのはゴンとキルアもでしょ？」と笑って言うが、クラピカの質問は少し違ったみたいだ。
「前はあんなこと言っていたが、Aだって同胞の恨みがあるだろう。私は攪乱係のゴンよりも一角族としてのAの方が危険だと思っている。」
あんなこととは、キルアを迎えに行ったときの飛行船での出来事だろう。
そのときはまだ旅団に一族を滅ぼされたと思っていて....ん？ちょっと待って....
「そういえば言ってなかった....」
ははっと苦笑いをすると、キルアは「....何言い忘れてたんだ？重要なことなら....」とこちらも笑っているが目が笑っていない。
「えっと....実はですね＿＿＿＿。」
捕まったあとのことを洗いざらい全て話した。
「なるほど....では、旅団の偽物が一角族を襲ったと....そしてその偽物を旅団が襲って頭部を売った....。」
クラピカがわかりやすくまとめてくれる。
「襲ったのは偽物だけど、売ったのは旅団だから、本当のこと聞かされた時はモヤッとしてたんだけどさ....ゴンのあの言葉でスッキリしたよ。」
ゴンはあの言葉？とわかってない様子。
わかってないならいいけどね
そのままの純粋無垢なゴンでいてほしいもんだ。
「ありがとね〜」と頭を撫でると嬉しそうに笑う。
「だから、クラピカ。私は大丈夫だよ。それに中継係にはキルアもいるしね！」
頼りにしてるよ〜と肩を叩くと「はぁー、わかったよ」と若干呆れた表情で答えた。
そしてキルアは続けてクラピカに問う。
「なんで急に俺達の協力を受ける気になったの？」
「もちろん私のリスクが増したからだ。早急にパクノダを始末せねばならない。何を犠牲にしてもだ。」
覚悟が違う。
ハンター試験のときなんかと比べ物にならないくらいの覚悟。
私が何を言っても聞かなそうだ。
そのとき、ゴンは右手を心臓に当てた。
そして、思いもよらないことを言い出した。
「クラピカ、俺にも念の刃を刺してよ。」
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月16日 17時
