第三章第二十二話 ページ32
「ゴン選手！！VSヒソカ選手！！いよいよ注目の一戦が始まろうとしております！」
これまで見てきたどの試合よりも歓声が大きい。
それくらいゴンとヒソカが注目されているのだ。
「まって、ヒソカ....興奮してない？え、きもい....きもい！！ゴン！逃げて！！」
「ここで逃げたらハンターライセンス一生使えねぇぞ。」
ゴンに変なことしたら許さない。
そんなことを思いながらゴンVSヒソカ戦を観戦した。
★
「リトルリカバリー」
試合が終わったあと、私はゴンの傷を治しにゴンの部屋に行った。
「ありがと！」
そう言って笑うゴン。
この笑顔とも、当分お別れか....。
「ゴン、私ね、これから行かなきゃいけないところがあるの。」
「明日ここを出発するんだし！一緒に行くよ！」
ゴンは私の手を握る。しかし、私はその手を握り返せなかった。
「一人で行く。今日出る。前々から決めていたの。」
私の目を見ると、「わかったよ。」と言って了承してくれたゴン。
「じゃ、お前から来いよな！俺たちのところに」
パッとドアを見るとキルアが立っていた。
「うん、必ず行く。....二人はこれから何処に？」
「うーん、あ！ゴンの家行こーぜ！」
「え！ホント？」
ゴンは少し嬉しそうだった。
「えっと、確かクジラ島だったっけ？用事が済んだら行くね。」
私の肩にはもう、バッグがかかっている。
手には部屋の鍵も。
「もう出る気満々かよ。」
「うん。終わったら連絡はするから！キルアの携帯に。」
じゃ！と言って私は部屋を出た。
これ以上居ると離れるのが寂しくなるからね。
するとさっき出ていったドアから開いた音がし、二人の走ってくる音がする。
そして後ろからぎゅっと温かいものが抱きついた。
ゴンとキルアだ。
「絶対クジラ島に来てね！ミトさんにAとキルアを紹介したいんだ！」
「うん。」
「約束だからな！！」
「うん。」
私はパッと後ろを振り返り、右手と左手の小指を上げる。
そして私達は小指を絡めた。
「「「指切りげんまん嘘ついたら針千本のーます！」」」
「誓いのチュー！」
「え、まってゴン！何それ！？」
ゴンは私の親指とゴン親指を重ね、チュー！と言う。びっくりするほど可愛い。
「俺の島ではそうするんだ！」
私は思わず笑ってしまい、キルアにもした。
「キルアも誓いのチュー！」
「なっ！恥ずいだろ！」
照れるキルアにニッコリ笑うと「行ってきます」と言った。
「「行ってらっしゃい。」」
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月1日 14時
