第三章第十七話 ページ27
「あの、私はいつでも試合に出ていいですよね？」
「....勿論です。貴女は強いですから。」
「はは、ありがとうございます。それでは」
私はズシくんに「またね」と言って頭を撫でると闘技場に全速力で戻った。
二百階のロビーにつくとキルアと二人がいた。
「キルア！やっぱり私が出るよ！その試合！」
しかしキルアはもう出したと言って試合に出る予定である。
「じゃあ、君は僕としようか？」
知らない声。ここにいないギドの声でもない。
振り返ると知らない男性。
「君、ここに来て戦ったことないだろ？僕と戦おうよ。」
誰かは知らないけど....
「わ、わかりました。お名前、聞いてもいいですか？」
「アンドレア....。よろしくねAちゃん。」
ぞっとした。この人、何か企んでいる。
「A？」
キルアに名前を呼ばれて我に返る。
「日付は？」
「六月一日とかどうかな？」
私は受付のお姉さんに紙を貰い、六月一日に試合予定と書くと。アンドレアに見せた。
「書いたからね。」
私の二百階での初戦は、アンドレアとなった。
★
部屋に帰ってアンドレアという名前を調べてみる。
「....二勝二敗..強くもないし弱くもないか...。」
あー！なんか、もやもやする！
あの表情が忘れられない。不気味で何かしてきそうな....。
「明日、電脳ページでめくってみるか。」
★
次の日、修行よりも先に電脳ページをめくりに行った。
キルアとゴンにはこのことを伝えてある。
カタカタとキーボードをならし、アンドレアの名前を打つ。
あ、ファミリーネームわかんないや。
けど、一番最初に出てきた見出しで私は飛び上がった。
「情報屋....！！」
アンドレア=ボルコフ。
「何が目的なんだ....。」
電脳ページを閉じ、急いでウイングさん達が泊まっている宿に行った。
★
「え、さっき帰った？」
宿につくと、二人はもう帰ったと言われた。
「いや、凄かったですよ。凝を完璧にしていました。五月二十九日と三十日の試合に出るみたいです。」
え？二人とも？？
キルアは知っていた。昨日のことがあるからね。
けどゴンは？何で、ゴンも？
もしかしてゴンも脅迫されて....
「わ....っかりました。失礼します。」
さっき帰ったということは今なら追い付くかな？
そう思い、闘技場までの道を走ると、ゴンとキルアの後ろ姿が見えた。
「ゴン！キルア！」
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月1日 14時
