狩られる者。 (ページ38)

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第二章第五話ページ38

掃除夫さんは、私達を奥へと案内する。

奥には使用人の家があって、もう一人男性がいた。

「ゼプロに気に入られるとは大した連中だな。まぁゆっくりしていきな。この家じゃそうもいかねぇだろうがよ。」

ゼプロさんというのか。

ゼプロさんはゴンに扉を開けるようにすすめる。

ゴンは骨折をしていない右手で開けようとするが開かない。片方二百キロあるのだとか。
さっきの男性言ってたことが今わかった。

「常に鍛えないといけませんからね。さぁ、入ってみてください」

レオリオがなんとか扉を開け中に入るが、スリッパも重く、湯飲みも重い。

「なるほど、この家で特訓というわけですか。」

「はい。もちろんこのまま山に向かってもらってもいいんですが、多分納得いかないでしょう？」

私達は顔を見合わせ、頷く。

この家でお世話になることにした。

★

「おーい、大丈夫か？」

「Aー！」

私は今、ベッドの上でうつ伏せになっている。
腰が痛すぎて..

今はここにきて十日目の夜。

「Aは特訓プラス家事もやってくれているんだ。こうなるのは当たり前だ。」

「誰か..湿布、湿布を貼って...。」

ヒラヒラと湿布を見せるとレオリオはそれを手に取り、腰に貼ってくれた。

「さすが医者志望...痛いところがわかってらっしゃる。」

「まぁな...！」キラッと目を輝かす。

実はというと念を使えばこれくらいは朝飯前なのだが、まだ皆、念を知らない。皆で試そうとしているのに私だけ念を使って試すなんてなんか....ね？

簡単に言うとズルしてるみたいで嫌だった。

「無理しないでね！」

「大丈夫！私、丈夫だから！明日には治ってるよ。ごめんね心配かけて」

それではおやすみと私はうつ伏せのまま眠りについた。