第一章第二十七話 ページ29
バンと扉を開けたのはゴンだった。
怒っている感じがする。サトツさんあたりが最終試験のことを話したのだろう。
ゴンは何の迷いもなくギタラクルのところへ行った。
「キルアにあやまれ。」
「あやまる？何を？」とギタラクルが言うと「そんなこともわからないのか」と拳を震わせた。
「お前に兄貴の資格ないよ。」
「兄弟に資格がいるのかな？」
震えていた手が、ギタラクルの右手を掴み引き上げる。すごい力だ。
「友達になるのにだって資格なんていらない。」
二人は睨みあうと、ゴンが先に口を開けた。
「キルアの所に行くんだ。もう案内してくれるだけでいい。」
「そしてどうする？」
「キルアを連れ戻す。」
決まってるじゃんと、ゴンの目は真剣そのもの。私も全くの同じ意見だ。
ギタラクルはまるで誘拐でもされたみたいと言ったが、ゴンは誘拐されたも同然と..
「ちょうどそのことで議論してたところじゃ」
教卓に立っていたネテロさん。さっきまでの流れをゴンに説明してくれ、話が進む。
しかしどんどん変わっていき、なにがなんやら。
「どうだっていいんだそんなこと。人の合格にとやかく言うことなんてない。キルアならもう一度受験すれば絶対合格できる。」
「それよりもしも今まで望んでいないキルアに無理矢理人殺しさせていたのならお前を許さない。」
「許さないか、で、どうする？」
「どうもしないさ、お前たちからキルアを連れ戻してもう会わせないようにする。」
ギギと強く腕を掴むゴンだったが、ギタラクルが手を出そうとすると離してしまった。
彼は操作系。操作されたら一溜りもない。
けど、ここの受験生は念のこと知らないんだよね..ヒソカとギタラクル以外..
「さて諸君よろしいかな？キルアの不合格は変わらんしおぬしたちの合格も変わらぬ。」
ビーンズさんはネテロさんの話が終わると説明会を再開した。
★
説明会が終わると私とゴンはすぐにギタラクルのもとへと行った。
キルアはどこに行ったのかと聞くため。
ギタラクルは「やめた方がいいと思うよ」とおすすめしない。
「やめませんよ。」
「うん！キルアは友達だ！絶対に連れ戻す！！」
「後ろの2人も同じかい？」
私達は後ろを振り向くと、クラピカとレオリオが立っていた。「当然よ」となんと頼もしい。
「..キルは自宅に戻っているはずだ。ククールマウンテン。この頂上に俺達一族の棲み家がある。」
ククールマウンテン..殺し屋..棲み家..
「ゾルディック家..」
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年8月17日 17時
