第一章第二十四話 ページ26
「お、気付いたか！」と右にはポックルさんが私の体調を心配している。
「大丈夫です。少し痺れるくらいで..」
と言うとポックルさんは「それくらいで良かった」と安心している。案外優しいな。
「キルアVSギタラクル！始め！」
「キルア、頑張れ〜」と言おうとしたが、「久しぶりだね、キル」とギタラクルさんが先にキルアに話しかけた。知り合いなのかな？
ギタラクルさんは刺さっていた針を全部抜き取っていく。
え、あれ全部取れるの！？恐ろしい。
するとビキビキと、顔が変形していき、黒髪長髪の顔の整った男性が姿を表した。
キルアは目を点にして言った。
「兄....貴！！」
「や。」
「キルアの兄貴..！？」
似てない..うん、全然似てないね。
ていうか、私、ずっとあの美形の人と一緒に居たってことか..
「母さんとミルキを刺したんだって？」
え、刺したの！？
「まぁね」と頷く。キルアは冷や汗をかいていた。
まるで、怯えたように。
「母さん泣いてたよ。感激してた。あのコが立派に成長してくれててうれしいって」
キルアのお母さんは少し変な人なのだろう。
刺されて感動とは....
「でもやっぱりまだ、外に出すのは心配だからそれとなく様子を見てくるように頼まれたんだけど..奇遇だね。まさかキルがハンターになりたいと思ってたなんてね。」
「実は俺も次の仕事の関係上資格を取りたくてさ。」と付け足すとキルアはなんとなく受けたと答えた。
「..そうか安心したよ。心おきなく忠告できる。」
ギタラクルさんの目は何か、吸い込まれそうな..そんな目だ。真っ黒で..ブラックホールみたいな。
そんな目で「お前はハンターに向かないよ」とキルアに言ったのだ。
「お前の天職は殺し屋なんだから」
耳を疑った。キルアが、殺し屋？
そんなわけ..と思い出すが、確かに普通の子が手をあんな凶器みたいに出来るわけがないし、毒が効かなかった..家庭で毒を強いられてたのか..？
ギタラクルさんはつづけて言う
「お前は熱を持たない闇人形だ。自身は何も欲しがらず、何も望まない。陰を糧に動くお前が唯一歓びを抱くのは人の死に触れたときに」
「お前は親父と俺にそうつくられた。」
なに..言ってるの..？？ギタラクルさん..いや、アイツは....。
腹が煮えくり返りそうなほど、私はギタラクルを睨んだ。
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年8月17日 17時
