隣の部屋のシゲオカくん (ページ4)

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ペットボトル片手に戻って来たしげ。

再度、俺の真正面に座ると

「コップちょうだい」

いつの間にか空になっていた俺のコップに麦茶を注いだ。

気が利く人やなぁ…

コップを受け取って、後から自分のお茶を継ぎ足すしげをぼーっと眺めた。

「…何見てるん」

そんな俺の視線に気づいたのか、不思議そうに問い掛ける。

「んー？別に」

「そ？

…なぁ、やっぱり小瀧ってモテるん？」

片手で頬杖つきながら、ふと何かを考え込むようにして聞いてきた。

「ん、まぁ…高校時代とかはそれなりに」

「へぇ…彼女とか、何人居ったん」

「えー何人？…4.5人ちゃう？」

「ふーん」

「え、何、急にどうしたん」

「いや、どうしたっていうか、何か慣れてるなー思って」

「慣れてる？」

「んーと、だからほら、そのー…」

さっきまでのお喋りが何処へやら、途端に歯切れの悪くなったしげ。

「可愛いとか、色んな人に言うてるんかなー、みたいな…」

辛うじて聞き取れる位の小さい声で、ぼそぼそとやけど、そう言った。

これって、俗に言うヤキモチってやつやんな？

…無理、可愛い。

もう俺、この人の事絶対堕としたる。

心の中でそう決心して、一人恋の野心に火をつけた。